金沢工業大学は,日本初となるVR型チェアスキー・シミュレータを開発した(ニュースリリース)。
開発したシミュレータは,ヘッドマウントディスプレーを装着して体感するもので,体の傾きで左右に曲がることができる。さらに画像上の斜面と連動して台座が動くため,より臨場感が味わえるというもの。
同大では社会性のある課題に研究室の枠を超えてプロジェクトデザイン III(卒業研究)に取り組むクラスター研究室を推進している。障がい者スポーツのひとつとして誰もが楽しめるチェアスキーの普及を目的に,2017年からロボティクス学科と機械工学科,応用化学科の学生が中心となってチェアスキーの設計と製作に取り組んできた。
従来のチェアスキー・シミュレータは神奈川県総合リハビリテーションセンターで開発された映像をスクリーンに投影するタイプものがあった。今回開発したものはこの発展形となるもので,VR技術を活用し,台座も連動して動かすことで,よりリアルに楽しめるという。
研究グループはこのシミュレーターにより,健常者,障がい者問わず,チェアスキーを気軽に楽しんでもらい,チェアスキーの認知度がより高まることを期待している。また,障がい者スポーツとしてのチェアスキーの普及を目指すとともに,将来的には選手向けの練習機器の開発も視野に入れているとしている。