ニコンとニコンインステック,米Berkeley Lights, Inc.(BLI)は,細胞関連分野において戦略的な業務提携に着手した(ニュースリリース)。
BLIは,2011年に創業した米国企業で,独自の光選択技術(半導体チップにレーザー光を当て,チップ表面の光が当たった部分だけ電荷が変化することを用い,1細胞のみを移動させる技術)を利用したバイオ医薬品,ゲノム解析および細胞治療向けの製品やサービスを提供している。
2016年10月,ニコンは,BLIの光選択技術を高く評価し1,000万ドルの出資を実施,そして,2018年2月に,3,000万ドルの追加出資を決定した。
一方で,戦略的な業務提携の一環として,BLIの細胞研究開発用多目的プラットフォーム「Beacon®」の日本における独占販売代理店契約を2018年1月に締結,ニコンインステックが日本での独占販売を開始した。
「Beacon」は,BLIの光選択技術を用い,細胞を一つひとつの単位で自動的に培養,評価,選別することで,通常では数週間から数カ月かかる細胞株の開発を数日に短縮することができる。
今回,ニコンのライブセルイメージング技術と,BLIの光選択技術を用いて開発した「Beacon」を組み合わせることにより,抗体医薬品開発や再生医療などの細胞関連分野において,ニコンが提供するソリューションをさらに広げることにつながる。
これにより,ビジネス範囲の拡張およびポジショニング強化を図り,新たな製品やサービスの提供拡大を目指す。「Beacon」の装置販売や技術サポートに加え,ユーザーの要望に応じたカスタム受託開発にも対応する。同社は今後も細胞関連分野を強化していくとしている。