米コヒレントは,同出力クラスにおいて長寿命を実現した,Qスイッチ付LD励起固体レーザー(DPSS)の新モデルをリリースした(ニュースリリース)。
この新製品「AVIA LX 355-20」は,平均出力20W@355nm(繰返周波数50kHz動作時),近回折限界の高いビーム質(M²<1.3),20,000時間以上の長寿命を実現する。
この製品は,マイクロエレクトロニクス製造やパッケージング分野での,カッティングやドリリング,マーキングなどの用途に適したモデル。主なアプリケーションは,ウエハのスクライビングやカッティングだけでなく,フレックス材料の加工,チップやモールドフォームへのマーキング,ICパッケージのトリミングなどがある。
さらに,3Dチップパッケージ製造における,ビアドリリングやガラス,セラミック,銅,複合材料などの加工にも適している。短パルスレーザーは,材料への熱影響を抑え,より薄い材料への高度な精密加工を可能にする。
また,小型(140mmx110mmx620mm),一体型設計(レーザヘッド,コントローラ,励起LDを一体化),簡易設置を可能にする3点キネマティックマウントを採用しており,ユーザーは,DC電源と冷却チラーを準備するだけで動作が可能。設計・製造段階でHALT/HASS試験の厳しい条件をクリアしているので,長期間メンテナンスフリーでの安定稼動を可能としている。
また,第3高調波(THG)発生用の結晶は,通常長期動作のために集光スポットをシフトさせるが,このレーザーでは予め全ての集光スポットを検査しており,スポットシフトした際のビーム特性や出力に大きな変化がないよう自動で最適化している。