エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトにおいて,ギガフォトンは最先端半導体製造ラインでの稼働を想定したEUVスキャナー用レーザー生成プラズマ光源を完成させ,出力105Wの安定運転と,世界最高水準である発光効率5%を実証した(ニュースリリース)。
IT機器の高性能化・省電力化・低コスト化,さらには,あらゆるモノがインターネットにつながるIoT社会の実現のためには,半導体をより小さくする微細化技術が求められており,その鍵を握るのがEUV光源の実用化と言われている。
ギガフォトンは,これまでNEDOの助成等で,極端紫外線(EUV)スキャナー用レーザー生成プラズマ(LPP)光源における,20μm以下の微小ドロップレットの供給技術,固体レーザーによる改良型プリパルスレーザーと新たに導入した三菱電機製高周波放電励起式三軸直交型CO2レーザー増幅器による高光品位メインパルスレーザーの組み合わせ,エネルギー制御技術の改善,および同社独自の技術である磁場を使ったデブリ除去技術を開発してきており,2016年7月にはプロトタイプ機において出力130W以上の連続運転を達成した。
今回,ギガフォトンは,NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業」で,EUVスキャナーに組み込むことを前提に設計され,かつプロトタイプ機で実証した新技術を組み込んだ半導体量産対応仕様のシステムであるパイロット光源を完成させた。
その結果,このパイロット光源にてプロトタイプ機よりも遥かに高いデューティー比95%で,出力105Wの安定運転,世界最高水準の発光効率5%を実証した。これは半導体生産のスループットを決定する平均出力で100Wに相当する。
この運転実証に成功したことは,半導体のさらなる微細化を可能とする最先端半導体製造ラインの実現に大きく近づいた証だとしてる。