日本電気硝子,モバイル機器向けに世界最薄の赤外線吸収フィルタを開発

日本電気硝子は,ガラス素材自体に赤外線を高効率で吸収する特性を持たせた,世界最薄の赤外線吸収フィルタを開発し,サンプル提供を開始した(ニュースリリース)。量産販売時期は2015年夏頃を予定している。

赤外線吸収フィルタは,可視光線域では非常に高い透過率を保ちながら,赤外線域においては高い吸収効率を持ち,分光感度を人の目の感度に近づけることができる。これをイメージセンサの前に配置することで,撮影された映像や画像をより自然な色合いに近づけることが可能となり,デジタルカメラやスマートフォン,監視カメラなどに広く利用されている。

現在スマートフォンでは,主に厚み 0.21mm の赤外線吸収フィルタが使用されているが,今回同社が開発したフィルタは厚みが従来の半分の 0.10mm でありながら,同等の赤外線吸収特性を持つ。これによってスマートフォン等のモバイル機器のさらなる薄型化に貢献することができ,また,AR(反射防止)コートやIR(赤外線反射)コートを施すこともできる。

製品寸法は標準品で76mm × 76mm。これ以外のサイズについても対応可能。