月刊OPTRONICS 特集序文公開

パルスレーザー工法レーザークリーニング技術の鋼構造物への応用

著者:(一社)日本パルスレーザー振興協会 細田 武

1.はじめに

橋梁,鋼構造物,建築物,機械設備などの構造物を長期に渡って安全に使用するためには,定期的に鋼材表面の劣化塗膜や錆を剥離,除去し,塗り替える必要がある。従来,劣化塗膜や錆を除去する方法としては,

①  研削材を投射し被塗物に衝突させ,塗膜や錆を除去するブラスト処理による方法

②  塗膜剥離剤を被塗物に塗付し,塗膜を膨潤(溶解)させ,皮すきなどの手工具で塗膜を除去する方法(ただし,錆は全く除去できない)

③  ディスクサンダー等の動力工具を被塗物にあて,塗膜や錆を除去する方法

が利用されてきたが,ブラスト処理による方法では二次廃棄物の大量発生,粉塵の飛散,騒音の発生などの問題,塗膜剥離剤による方法には揮発性有機溶剤による中毒や火災などの問題,動力工具を使用する方法では粉塵の飛散発生などの問題があった。

これらの問題を回避や発生廃棄物の軽減化に注目し,近年レーザー処理により塗膜や錆を除去する方法が実用化されつつある。しかしながら,連続波(CW:ContinuousWave)レーザーや高出力レーザーによる処理では,「除去対象物の塗膜や錆だけではなく,母体自体への熱移動が起こりやすく母体へのダメージを懸念する」事等が課題となっていた。さらに老朽化した橋梁や鋼構造物等の既存塗膜には有害物質が含有されている可能性が高く,特に1967 年から1972 年頃に製造された塩化ゴム系塗料には現在使用禁止されているPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれている事例があったことや,防錆や着色を目的に鉛やクロム等が含まれた塗料が使用されており,レーザー処理により発生する粉塵やヒューム等にこれらの有害物質が含有されるため作業員へのばく露や周辺環境への影響が懸念される。

日本パルスレーザー振興協会ではパルスレーザーの特徴を生かした「JPL工法®」塗膜除去(特許第6595135号_パルスレーザーによる施工方法およびシステム)及び回収方法「密閉式集塵ケース」(特許第7250241 号_ レーザー処理用回収装置,レーザー処理システム,及びレーザー処理方法)の開発を行った。

【月刊OPTRONICS掲載記事】続きを読みたい方は下記のリンクより月刊誌をご購入ください。

本号の購入はこちら

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア