月刊OPTRONICS 特集序文公開

ASKA3D ビジョン・テクノロジー コンパクト化と全方位視野に向けて

著者:アスカネット 大坪 誠

1.はじめに

次世代の空中ディスプレーをビジョン・テクノロジーとしてご紹介するにあたり,先に現行の技術について簡単にご紹介させて頂きたい。

1.1 IP(Integral-Photography)について

筆者は電気工学を学んだ以外,光工学については高校レベルの知識しかなかったが,卒業後たまたま最初の会社の仕事の関係で立体映像の世界に関心を持つようになった。出張の際,新幹線の中で思いついたのが「立体映像とは日常の生活空間に無数に飛び交っている光線が創り出す世界」ではないか,この原理を光学的に実現できれば裸眼で見れるかも知れないと考えた。筆者と外の世界を隔てているのは「窓ガラス」だけで,この窓ガラスを見てピンホールカメラ原理に至ったのである。早速机上で検討すると立体情報の記録と再生はピンホールとピンホール像のペアで実現できることが判明した(図1-1)。

図1-1 IP 原理想起図

ただ当時困っていたのが得られる立体像の「輝度・解像度VS視野角・奥行き」のトレードオフの問題だった。当時はこの解決策として「時間・空間分割法」を考案し,このトレードオフ問題の解決策として特許出願,テレビジョン学会技術報告1)(1992年)に至った(図1-2)。

図1-2 時間空間分割方式のIP システム

なんとも当時はキテレツな内容であった。今から33年ほど前である。この話が某放送会社の研究所様の眼にとまり後にこの原理は1908年にGabriel-Lippmannが同様な発明(IP)をしていたと聞かされ驚いたことを思い出す。(これを機会に2年ほど共同研究を実施した)筆者は考案当初から,Lippmann型IPのトレードオフ問題に疑問を感じ,改善策として時間・空間分割方式IPを提案していたのだが2),IPそのものに原理上解像度限界という問題があるとの論文が出され,2年程で共同研究を終了した。一方筆者は最近このトレードオフ問題に解決の糸口を見出だしたので後述する。

1.2 空中ディスプレーについて

一対の直交ミラー素子の法線に対し,物体からの1本の光線を角θで入射すると素子内部の直交ミラーで2回反射し出射角–θで反射する(図2)。

図2 空中結像プレート原理

この素子を平面上に多数敷き詰め任意の拡散光が入射されると,面対象に収束光となり何も無い空間に実像を形成できる。しかしこちらも課題が多く,狭視野角問題,スペースの問題,迷光の問題に直面してきた。

最近この課題に対しても画期的な改善策が見いだされたので後述する。

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