月刊OPTRONICS 特集序文公開

カルコゲナイドガラスを用いた赤外線用光学素子

著者:日本電気硝子㈱ 松下佳雅

1 はじめに

近年,赤外線を用いた技術,製品に対する関心が高まりつつある。中でも,中~遠赤外線を用いた技術はこれまで宇宙・防衛などの特殊用途を中心に利用されてきたが,現在は民生用市場にも拡大しており,暗視カメラやサーモグラフィ等のイメージング用途だけでなくセンシング用途も含め多くの分野で重要な役割を果たすことが期待されている。中~遠赤外線を用いる場合,一般的にガラスや樹脂はこの波長帯の光を透過しないため,中~遠赤外線を透過可能な材料でレンズ等の光学素子を作製する必要がある。これまで光学素子材料としては結晶材料であるゲルマニウムが多く使われてきたが,加工性が悪い,高価格,供給が不安定,といった課題からカルコゲナイドガラスの需要が高まっている。カルコゲナイドガラスは中~遠赤外線を透過可能な特殊な材料であり,組成により特性が異なるため,所望の用途に適した特性の材料を選択することができる。また,ゲルマニウムと異なりプレス成形が可能であるため,光学素子の生産性向上が期待できる。本稿ではカルコゲナイドガラスと,それを用いた赤外線用光学素子の開発事例について解説する。

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