栄光と光栄ってどんな光?

著者: 納谷 昌之

子供の頃,僕が住んでいた札幌で冬のオリンピックが開催された。日本が高度成長期であったこともあって,オリンピックに向けて札幌の街は大きく変わった。地下鉄が通り,地下街ができた。石川啄木が「大いなる田舎」と呼んだ札幌は都市に変わってしまった。オリンピックの歌が町中に流れ,何だかみんなが舞い上がった雰囲気の中で,子供だった僕は,ただウキウキとしていた。

外国人で溢れていたオリンピック期間中は,それはもう夢のような世界だ った。そして閉会の後の静けさがなんと寂しかったことか。全てが僕にとっては今でも忘れられない特別な体験なのである。今年は北京で冬季オリンピックが開催された。数十年前とはまるで異なる商業主義化や政治の問題など,オリンピックも変わ ってしまった。でも,子供の頃の体験があるせいか,冬のオリンピックにはなんだかノスタルジーを感じてしまうのだ。

北国育ちの僕にとって冬のスポーツはかなり身近な存在だけれども,テレビで見る選手たちのプレーはまるで次元が違う遠い世界の出来事のようだ。彼らの技術が神業なのはもちろんだけれども,それだけではない。最も違うのは,彼らが目指すものが世界の頂点だということである。

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