量子カスケードレーザー市場
2020年には5億6700万ドルに

4. 中赤外線領域アプリケーションの実現技術

図1 カスケードレーザーの産業別応用
図1 カスケードレーザーの産業別応用

中赤外線領域への注目が高まった時期に合わせてカスケードレーザー光源が登場した。中赤外線領域は,分光分析,センシング,イメージングを代替,補完するものとして研究されてきた。近年,この領域では,多様なアプリケーションが開発,商用化されており,カスケードレーザー技術は登場と同時にその恩恵を受けることができた。

フーリエ変換赤外分光など,いくつかの応用では技術的な難所もあったが,CL光源は市場に必要とされる小型でシンプルなデバイスを実現する代替技術として利用されている。

量子カスケードレーザーがどのような形で利用されているか,各アプリケーションを確認してみたい。

4.1 産業向け

産業向け応用はCL技術にとって最も成熟した市場である。CL技術はUVの代替として優れているだけでなく,近赤外線分光分析との組み合わせにより,ライン中,フィールド用の波長可変レーザー分光分析デバイスの開発が可能となっている。

さらに興味深い市場としては,石油ガス,飲食品,医薬製造,水処理,発電業界などが挙げられる。CL光源の分光分析は,主にガスの検出,化学プロセスのモニタリングに利用される。燃焼プロセスの効率性,毒性ガスの検出,大規模石油プラントやパイプラインにおける漏出検知,特定の化学物質のトレースなど,その応用範囲は広い。そうした業界では,様々な化学物質を迅速かつ正確に計測する,信頼性の高い分析法に対する高い需要がある。

CL技術を採用すれば,小型,高速,正確なシステムを開発することが出来るが,まずそのためには下記に挙げるような課題を解決する必要がある。

・コスト削減
・センシング機能とトレース検出の高度化
・ハンドヘルドデバイス搭載に向けた小型化
・CLベースの分光イメージングソリューションの開発
・その他データとの相関分析
・光源と検知器パッケージの標準化
・データ取集時間の短縮,計測の安定性強化,高速化

・複数ガスの識別機能の強化

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