─光以外の業界で注目されている技術や製品はありますか?
面白いなと思うのは、AR・VRとセンサーですね、多分向こう三年ぐらいで市場が立ち上がると思います。今はまだまだHMDにしても非常に値段が高いですけれども、1/10以下くらいになれば、いろんな意味で刷新が起こるでしょう。今の製造の仕方ではコストダウンが追いつかず、品質、歩留まりもあまり良くないという話も聞いていますし、そこを改善するにはどうしたらいいかいうような話もきっと出てきます。そういったところに我々が入れる分野があると感じています。
─医療関係はどうでしょうか?
医療は今、我々JLCホールディングスの下にオミクロン・メディカルジャパン(OMJ)という会社があります。昨年までは立ち上げの時期だったので基本的に商品を持たず、装置のメンテナンスを中心にビジネスを展開してきました。ただ、それなりの数字が見えてきたので、今後はそこ(OMJ)が持っている商品と新しく開拓している商品、それらを日本レーザーも手伝いながら販売促進していきたいと考えています。オミクロン・メディカルの本社も慎重なので、我々としても数億円のビジネスになるまでは、ゆっくり育てて行こうという話になっています。
─今一番苦労されていることは何でしょうか?
苦労していることはあまりありません(笑)、私は社長になる前は営業本部長だったのですが、その時は営業本部のことだけ、つまり受注と売上とそれから粗利、この3つ特に粗利を管理していれば良かったのですが、社長になると他の数字、PLだとかBSの中に、営業外収益とかも出てくるわけですよね。大変だというより、その辺のところを含めて会社全体を気にするようになりました。
四半期ごとに銀行に決算報告に行くのもすごく刺激になります。最近は業績がそんなに悪くないせいか、あんまり突っ込んだ話はしてきませんが、私の担当の事業経営について、今後どうするのですか、この事業は成り立つのですか、ということも聞かれますし、商権を失えば、その後のビジネスはどうするのですか、というようなことは聞かれます。常に頭にあるのは会社のことで、業績が厳しい時などは眠れない日も続くので、責任が重くなったということを感じます。ただ、役員や社員も色々な建設的な意見を言ってくれるので、一体感を持って運営できます。それは非常に有難いと思っています。
─新たなメーカーはどのように探していますか?
フォトニクスウエストやミュンヘンのレーザーショーといった展示会だと、すでに出展社は日本での代理店が決まっていたりして遅いですよね。我々としてはあらゆる方面にアンテナを張っていることが一番です。例えば海外の友人などに商権を探してもらうというのも一つです。最も確立が高いのは、過去の日本レーザーとの取引で良い経験をしたので代理店をやってほしいというケースです。すなわち人と人のつながりが重要だと思います。ただ展示会で目立たないような会社でも、いいものを出して突如変貌することもあります。そういったところに注目していく、展示会ではやっぱり目利きが大切なのではないでしょうか。