─取り扱い製品分野について教えてください
当社の製品は基本的に四つに分けられます。まず理科学向けレーザー及びコンポーネント、二番目に加工用のファイバーレーザーや短パルスレーザー。それから検査分析計測システムと微細マイクロ3Dプリンター、四番目はコンポーネントやセンサーなどです。これらの製品群を支店を除く3グループ1ティームで扱っています。
まず理科学向けレーザー製品は、例えば量子カスケードレーザーや短パルスレーザー、波長可変スーパーコンティニューム光源などがあります。我々としては戦略的に特定の市場、例えば広帯域光源は検査計測用途に向いているということは誰もが知っているので、その中で特定のアプリに特化し、お客様にアプローチしていくというような戦略をとっています。
つまりニッチな市場を狙っていくというのが基本的な姿勢です。別の戦略の例では単一光子計測、これはレーザーと検出器とそれを統合したシステムと三つに分かれますが、お客様がレーザーだけを求めている場合は、検出器の方も紹介します。それから検出器とレーザーの両方を求めているお客様には、非常に高価な製品ですが付加価値の高い統合システムを勧めていきます。
2番目の加工用ファイバーレーザーと短パルスレーザーも、ニッチなアプリケーションを狙っていきます。例えばレーザークリーニングでも材料に特化するのであれば、その材料に関する知見を深め、どんどんそこを深堀していくことによって競合他社の障壁を上げ、我々がトップであることを示すような工夫をしています。
加工用レーザーは、ユーザーのラインに入るか、インテグレーターさんが装置に組み込んで、お客様に販売します。そこでは信頼性が問題になるので、我々も高品質で稼働寿命の長いレーザーをお勧めしますが、そのうえ24時間7日間のサポートを求められます。今まではそういった要求への対応が困難でした。しかし現在我々もそれを検討しているところです。
3番目の検査分析計測システムと3Dマイクロプリンターは、半導体材料やエレクトロニクス材料の市場をターゲットとしており、商材の拡充に取り組んでいるところです。例えばレーザー走査式の非破壊基板欠陥検査装置仕様は、最先端の性能でなくても安い装置が欲しいという声に応えたものです。テクニカルサポートも当社の技術部でできる範囲なので、取扱いを進めています。
一方ケミカルイメージング向けの光誘起力顕微鏡(PiFM)という装置ですが、10nmくらいの非常に微小なイメージングが可能です。こうした製品を導入するお客様が日本国内でも増えてきています。応用範囲も半導体材料だけではなく、ケミカル材料などにも広がってきており、測定信頼性の要求も高くなっていると感じます。その他、医薬品材料などでは材料の流動分布測定装置やペレット欠陥検査装置の需要が堅調です。
3DプリンターはQuantum X シリーズが売れ筋です。2光子ポリマライゼーションと独自のプリンティングテクノロジーを組み合わせた用途が非常に広い装置で、サブミクロンの精度の高いラピッドプロトタイピングが可能です。この装置は例えばウエハースケールで、集積フォトニクスやマイクロオプティクス、マイクロ流路などを正確に作れます。この装置は高価ですが、発売以来引合いも多く、コンスタントに販売できています。
4番目はコンポーネントとセンサーは、ニューポート社の製品が中心です。ニューポートの製品は長年の実績もあり高品質なものの品揃えをしています。ただ円安も手伝ってコストという面では厳しいものがあります。ファイバーのマイクロマルチチャンネルの分光器やレーザーの干渉計センサー、AO/EOデバイスなど一定の売上ベースがある製品を扱っており、OEMや組み込みでも随分使っていただいています。こういう製品は、まず短納期で種類が豊富なのも重要です。よく出る製品は在庫を持って対応し、受入れや出荷検査も強化しています。
我々は基本的にケミカル製品、半導体やエレクトロニクス等の材料の市場にも注力しており、そこで加工や検査や分析、そういった装置の事業も軌道に乗せたいと考えています。3年後には一つの装置系列で数億円ぐらいの規模になっていればいいですね。
アフターサービスについても、保守契約とか有償のアプリケーションサポートとか、そういったものを充実させていこうかなと考えています。先ほど言ったように、製品の品質が上がり、技術が修理などに時間を割くことが少なくなってきています。だからアプリケーションのサポートとかそういったところを含めたビジネスモデルを確立していくことで、年間1億円ぐらいのビジネスになれば非常に面白いと思っています。