─ターゲットとするアプリケーションと日本市場への期待についてお聞かせください
既に進んでいるプロジェクトもあるため,具体的な話は難しいですが,材料としては,アルミ,銅,亜鉛メッキ鋼板がターゲットの中心にあるのではないかと思っています。私たちは後発ですので,競合の大手レーザメーカーさんが成功しているビジネスではなく,苦戦している技術課題やレーザー加工の新しい分野,例えば今現在,レーザー以外の工法が使われているところをターゲットとするのも良いかと考えています。まずは溶接技術からとなりますが,将来的には切断,AMなどにも展開していきたいと考えています。
もちろん,グリーンレーザーの市場も開拓できればしていきたいです。 Civanの技術を使うと,CWでグリーンレーザーをシングルモード発振させることができます。既に150Wは実現していますが,500W,1kWも技術的には大きな課題はありません。こういったものを,例えば銅の3Dプリンタなどに応用することもできるかもしれません。Civanの技術は,これまでのレーザーが実現できなかった仕様のレーザーを実現します。これまで諦めていた分野の開拓ができるのではないかと思いますので,お客様のニーズにしっかりと耳を傾けていきたいと思っています。
日本のお客様は世界で一番品質に厳しいと言われています。ここで認められれば世界中どこに行っても恥ずかしくないと,本社からは期待されており,胃の痛い毎日が続いています。
─最後に読者の皆様に一言お願いします
私は良い製品や良いサービスはお客様の声により作り上げられていくと思っています。今後皆様と何らかのビジネスシーンでお会いさせていただく際には忌憚のないご意見をお伺いし,製品の能力や品質,当社のサービスの向上に役立てていきたいと思っております。2023年にはラボを開設しますので,レーザー加工に課題を抱えている方もそうでない方も,是非一度ラボへお越しいただければ幸いです。
(月刊OPTRONICS 2022年10月号)