─そうなりますと人が必要になりますね
そうなんです。現在Civan Japanでは技術者2名,営業1名を募集していまして,プロフィテットでも営業を1~2名何とかしなければと思っているところです。オプトキャリアにもお世話になるかもしれないですね。
─今回日本市場に進出された目的はなんですか?
私自身,Civanの代理店活動を4年ほどしてきましたが,レーザーの販売は本当に難しいと常々感じていました。特に当社のOPAのように製造業向けの製品の場合,「アフターサポートが必須」と毎度のように言われてきまして。また,安い製品ではないので,いかに学会で表彰された優れた製品であっても,しっかりとした実証実験を行なえなければ,なかなかお客様は次のステ ップへ進んでいただけないです。これを本社に3年ほど言い続けたところ,日本法人設立の話が浮上してきたという流れです。同じことがドイツやアメリカでも起こっているようで,そちらでも営業所の設立が始まっています。
─御社のレーザーの特徴と技術の強みについて教えてください
当社ではOPAシリーズをダイナミ ックビームレーザーと呼んでいます。ダイナミックというのは動的という意味ですが,ビームを動的に制御できるレーザーということです。現在,大手ファイバーレーザーメーカーではマルチコア技術によるビームシェーピング機能付きファイバーレーザーを販売しています。また,材料への入熱を制御するためにガルバノスキャナを使ったウォブリング機能を有するレーザー加工装置を販売している会社もあります。
ダイナミックビームレーザーはアレイ上に並べた複数のレーザーの位相を制御することで,加工点におけるビームを超高速にスキャニングすることができるレーザー発振器です。ガルバノスキャナの数千倍のスピードで制御できます。これにより実際はスキャニングしているのですが,溶接時には,あたかも同時に複数ポイントにビームが存在しているかのような振舞いをします。これにより無制限にビーム強度分布を生成することができます。無限にビームシェーパーを搭載していて,それらをマイクロ秒で付け替えられるレ ーザーと考えていただければよいかと思います。
ここ数年,ビームシェーピング技術はレーザー加工において非常に注目を集めている技術になってきたように感じています。スパッター抑制やクラックの低減,コーティング除去,余熱などに利用されています。しかし,最適なビームプロファイルは材料であったり,プロセス条件などにより異なるため,1つのビームプロファイルがオールマイティに活躍できるということはあり得ません。それぞれの用途にそれぞれ最適なビームプロファイルが必要となります。
「LCOSのようにビームプロファイルを自由自在に制御できるもので,高出力レーザーに対応したものはありませんか?」この質問をこれまで何度いただいたか。そのご質問の答えがCivanのOPAです。
─御社の製品ラインナップを教えてください
現在はOPA6(写真1)とOPA12(写真2)があります。OPA6は7kW,14kW,28kW出力,OPA12は100kW出力です。いずれもダイナミックビーム機能を有します。
以前はCWシングルモードグリーンファイバーレーザーも開発を行なっていましたが,今はOPAの市場を立ち上げるために一時ストップしております。