重力波を捉えろ! 武蔵野の森に眠る「KAGRA」の前身が果たした役割とは?

◆正田 亜八香(ショウダ アヤカ)
国立天文台 重力波プロジェクト推進室 特任助教

2015年東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻博士課程 修了。博士(理学)。
卒業後,国立天文台重力波プロジェクト推進室にて日本学術振興会 特別研究員(PD)ののち現職。
宇宙重力波望遠鏡,ねじれ振り子型重力波望遠鏡などの基礎技術開発を行なってきた。現在はレーザー干渉計型重力波望遠鏡KAGRAにおいて,防振装置のインストール,オペレーションシステムの開発に携わる。

検出に成功した研究者達にノーベル賞が贈られるなど,「重力波」の発見は一大センセーションを巻き起こした。この重力波を捉えたのは,アームの長さ4kmという巨大なレーザー干渉計で構成される,米の重力波望遠鏡「LIGO」。その圧倒的な感度により,地球と太陽との間の距離をわずか水素原子1個分伸縮させる程度でしかないという,かすかな重力波を捉えることに成功した。

ご存知の通り,現在,日本でも重力波の検出を目指す重力波望遠鏡「KAGRA」の建設が岐阜県の山中で進められている。しかし,米「LIGO」以前に,当時世界最高感度を誇った重力波望遠鏡が日本に存在していたのをご存知であろうか。しかも,東京にである。

今回はその重力波望遠鏡「TAMA300」を訪ねて国立天文台三鷹キャンパスを訪れた。そこで「TAMA300」を見学させてもらうと共に,「TAMA300」が果たしてきた役割と「KAGRA」に引き継がれた技術について,重力波プロジェクト推進室の正田亜八香氏に話を聞かせて頂いた。

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