犯罪に立ち向かう光技術 ─僅かな証拠も逃さない科警研の研究とは

◆秋葉 教充(アキバ ノリミツ)
科学警察研究所 鑑定官

2000年 東北大学大学院工学研究科修了。博士(工学)。2000年に警察庁科学警察研究所に入庁。静岡県警科学捜査研究所研究員,三重県警科学捜査研究所所長を経て,2014年より現職。光を用いた鑑定技術の研究開発を行っているほか,画像・映像鑑定,偽造通貨の鑑定にも携わっている。応用物理学会講演奨励賞,日本法科学技術学会奨励賞を受賞。

近年,いわゆる振り込め詐欺やネットを悪用した事件など新たなタイプの犯罪が次々と現れ,日本における刑法犯の認知件数は増加傾向にあると言われている。しかし,殺人や強盗といった凶悪犯に限って見れば,その検挙率は世界的に見ても非常に高い水準にあり,日本が安全な国であるという評価は今なお揺るぎがない。

これを支えるのが高いレベルを誇る日本の警察の捜査能力だ。決して逃げ得を許さないという強い意思と 最先端の捜査技術が,日本の治安と我々の生活を守ってきた。

科学警察研究所はこうした捜査技術の研究および開発を行なっている。事件現場において光技術が活躍していることは想像に難くないが,実際にその姿を知る人は少ないのではないであろうか。

今回は犯罪捜査の中でも代表的な手法である,指紋検出のスペシャリストの秋葉教充氏に話を聞くことができた。天網恢恢疎にして漏らさず。果たして犯罪者をからめ取る網はどのように編まれているのであろうか。今回はその一端をご紹介したい。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    同じカテゴリの連載記事

    • 高付加価値加工を支えるレーザー装置・技術を提供する トルンプ㈱ 代表取締役社長 高梨 真二郎 2023年05月22日
    • イスラエル発の高輝度・高出力レーザーを日本市場で本格販売へ! ㈱Civan Japan 代表取締役社長 奈良 拓治 2023年05月22日
    • イメージセンサとパワー半導体で変換点の日本市場に挑む オンセミ 日本法人代表取締役 林 孝浩 2023年05月08日
    • レーザー核融合技術をクリーンエネルギーや脱炭素化の手段にする! ㈱EX-Fusion 松尾 一輝 2022年06月07日
    • Opticaが目指すものとは? ─学会も変化が求められる時代へ Optica 会長 河田 聡 2022年05月20日
    • SDGsに貢献する光技術となるか? ─太陽光励起レーザーの現状とその可能性 東京工科大学 大久保 友雅 2022年04月08日
    • CLEO-PR2022:9年ぶり日本で開催へ
      CLEO-PR2022:9年ぶり日本で開催へ 千葉大学 尾松孝茂 2022年02月17日
    • 産総研ゼロエミッション 国際共同研究センター(GZR)と光技術
      第三回「人工光合成研究チーム」
      (国研)産業技術総合研究所 佐山 和弘 2021年12月22日