日亜化学工業は、300nm帯の高効率・高出力UV-LED「NVSU434A」シリーズを開発し、2027年1月に発売する予定だ。ピーク波長308nmと330nmの製品では、従来製品比で約2倍の発光効率と約3倍の光出力を実現したほか、新たに340nmのUV-A LEDを追加し、製品ラインアップを拡充した。これにより、硬化や農業、医療などの分野で求められる高出力UV光源への対応を図る(ニュースリリース)。
近年、UV-Bから短波長側のUV-A領域にかけて、UV-LEDの利用が広がっている。例えば、紫外線による硬化工程では、材料の特性に適した波長の選択に加え、処理時間の短縮や均一な硬化を実現するための高出力化が求められる。また、農業分野では、UV-B照射を利用した病害虫防除による減農薬栽培への関心が高まっており、効率的に紫外線を照射できる光源の開発が進められている。
これらの用途では、水銀ランプなどが光源として利用されてきたが、環境負荷の低減という観点から、水銀を使用しないUV-LEDへの置き換えが期待されている。一方、300nm帯のUV-LEDを実用的な光源として普及させるには、十分な光出力と発光効率の確保が課題となっていた。
日亜化学は、これまでUV-C LEDの開発で培ってきた結晶成長技術とデバイス設計技術を応用し、今回の高出力UV-LEDを開発した。308nmのUV-B LEDと330nmのUV-A LEDでは、従来製品と比較して発光効率と光出力を向上させた。また、硬化材料に応じた波長選択の幅を広げるため、新たに340nmのUV-A LEDを製品化した。
新シリーズの定格電流は700mAで、発光効率は308nm品が8.2%、330nm品が10.0%、340nm品が9.4%となる。光出力はそれぞれ280mW、330mW、310mW(いずれも標準値)。従来製品の定格電流350mAに対し、700mAでの駆動に対応することで高出力化を図った。同社によると、効率と出力はいずれも業界最高水準としている。

(画像)外観
今回の新製品は、用途に応じた紫外線波長の選択肢を広げるとともに、高出力化による硬化工程の時間短縮や、農業分野での紫外線照射などへの活用が期待される。また、光源の高効率化によって、装置の省エネルギー化や水銀ランプからの置き換えにつながる可能性がある。





