光技術総合展示会「interOpto-光とレーザーの科学技術フェア」で,朝日分光【光学薄膜フェア No. D-32】は,スパッタリング成膜によって,高透過率,急峻な立ち上がり,一枚基板上への成膜を実現した高性能なバンドパスフィルターを紹介する。
同社が,これまでIAD蒸着多層膜に加えて採用したスパッタリング法は,素材原子を直接基板上に堆積させる上,基板に堆積する原子の運動エネルギーがIAD法の堆積原子のそれよりも1桁以上大きいため,IAD法よりもはるかに膜質のよい薄膜が得られるという。
今回,複数基板だった従来品を一枚の基板にしたことで,にじみが少なくなり、撮像系にも使用できるとする。また,一枚基板になったことで透過率が高まり,さらに,設計の見直しによって,分光特性は立ち上がりが急峻でスソ切れが良くなったとしている。
同社は多層膜製造プロセスに応じて,装置の内部構造や配置を変えた専用装置を数多く作っており,顧客の要求に応じた多層膜を生産できる。今回のバンドパスフィルターは,標準品として,紫外から近赤外域までラインナップしており,1枚から注文可能。外形加工やカスタムにも対応するとしている。