高機能接着剤メーカーの独DELO Industrial Adhesivesは，導電性接着剤を使用したミニLEDダイの電気的および機械的接続について社内実験を実施し，点灯試験中の確かな接着強度と高い歩留まりを示した（ニュースリリース）。

従来の製造方法を踏襲していることから，ディスプレー業界ではSMD部品の配線接続にはんだ材料を使用する方法を多用している。しかし，ここ急速にダイの小型化が進み，ミニLEDの製造が量産段階に入り，更にマイクロLEDの実用化が迫る中，はんだ材料などの等方性導電材料ではショート回路を回避できなくなるなってくると考えられている。このような問題点に着目し，同社では，従来の配線接続方法に代わる接着剤を研究してきた。

研究を進める中で，同社は製品の中でも「DELO MONOPOX AC268」のような材料が試験に最も適していると判断した。一方向にしか電気を通さずショート回路が発生しにくい点と，ディスペンシングの際にマスキングの隙間を狭まなくて済むというプロセス上の特性を踏まえると，最適な材料だとしている。

フィジビリティスタディでは，「DELO MONOPOX AC268」接着剤の入った容器にミニLEDライトを浸して接着剤を塗布してから，180℃で20秒の熱硬化をさせた。硬化後，あるテストボードにはダイ1個を固定，別のボードには複数のライトをデイジーチェーン方式で搭載し，LEDダイの動作試験を実施した。ランプはどちらのボードでも問題なく点灯し，ショート回路の回避に成功したという。

同社では，接着剤がミニLEDアプリケーションにおけるピックアンドプレースはんだ付けの適切な代替手段であることを証明する結果だとしている。