パナ,マイクロLEDを活用の次世代照明器具技術開発

パナソニックは,1台の照明器具で複数の対象物を照らすことをはじめ,スマートフォンやタブレット等を活用した操作端末を通して,使用者の簡単かつ自由な光のコントロールを可能にする,マイクロLEDを活用した次世代照明器具を開発したと発表した(ニュースリリース)。

この次世代照明器具は,日亜化学工業が開発したμPLS(マイクロPLS)を活用し,これに同社が長年培った照明制御技術や高速信号処理技術などを組み合わせて開発した。

近年,照明器具がLED化されたことで,瞬時点灯~消灯,多彩な色演出が可能となり,商業施設や公共施設をはじめとしたさまざまな場所で,ライトアップやプロジェクションマッピングなどのライティング演出や,サイネージなどと連携した複雑な演出が実施されている。

しかしながら,今までの照明器具では,基本的に照射したい部分に1台の器具が必要になり,複雑な演出を行なう場合には,多数の照明器具や,プロジェクター,ムービングライトなどの専門的な機材が必要だった。

今回開発した,マイクロLEDを活用した次世代照明器具では,1台の器具で複数の対象物を照らすことをはじめ,スマートフォンやタブレットを活用した操作端末を通して,使用者が簡単かつ自由に複雑な光をコントロールすることが可能となる。

日亜化学の開発したμPLSは16,384個の微細なLEDが実装されている。1粒単位で点灯制御できるので,光の個数や形状,エッジの立ち具合を自由にコントロールすることができる。同社の照明制御技術で高速に制御し,個々のLEDの光を照射面に投影することで,これまでにない様々な光のデザインが可能となった。

このマイクロLEDを活用した次世代照明器具を使用すれば,店舗の売り場では,動的な光による多彩な商品演出や,改装時の照射変更を簡単に行なうことができる。

操作端末の画面は,キャンバスのようなスペースと,光の形状や動かし方を選ぶボタン類で構成され,ユーザーは空間に光を描く感覚で,直感的に思いのままの光を創り出すことができる。

また,ユーザーの操作に光が即座に反応するよう,通信データの圧縮と器具内部の信号処理高速化技術を用いることで,操作のストレスを低減させ,器具の操作を楽しめる体験を提供するという。

同社は,このマイクロLEDを活用した次世代照明器具の2025年以降の製品化を目指す。また,今後センサーやAIを組み合わせた光のパターンの自動最適化やサービス提供も検討していくとしている。

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