阪大,青色半導体レーザーでAlN基板へ純銅皮膜形成

大阪大学の研究グループは,青色半導体レーザーを用いたマルチビーム積層造形法による窒化アルミニウム基板への純銅皮膜形成技術の開発に成功した(ニュースリリース)。

パワー半導体デバイスは,電力の制御や交流―直流変換等を行なう半導体デバイスの総称で,高電圧や大電流を高速で制御することが可能となっている。

このパワー半導体デバイスの構成部品の1つにセラミックス基板の両面に銅板を接合させた金属セラミックス基板が用いられている。代表的なセラミックス基板には高熱伝導性を有する窒化アルミニウムが用いられており,さらなる高信頼性・低コスト化に向けた技術開発が進められている。

従来,窒化アルミニウムと銅の接合方法には活性金属を含むろう材を用いたAMB法(活性金属ろう付け法,AMB)が主流だったが,研究グループの成果である青色半導体レーザーを用いたマルチビーム積層造形法(複数の青色半導体レーザーの重ね照射による飛行粉末の空間的均一加熱を実現したオリジナルの積層造形法)を利用することにより,銅と窒化アルミニウムの直接接合が可能になった。

今回の研究成果は,低入熱かつ局所加熱が可能である革新的技術を用いて窒化アルミニウム基板に対する純銅の直接接合を達成し,さらなる高信頼性化が期待されるとともに,材料ロスおよび製造工数の削減につながり,省エネルギー化やカーボンニュートラル社会の実現に貢献するものだとしている。

その他関連ニュース

  • 阪大ら,Ag-Si合金にパワー半導体接合材の適性発見 2024年09月11日
  • 阪大ら,X線回折法でGaN結晶中の3次元歪み場を検出 2024年06月13日
  • 阪大ら,高純度GaNは光りにくい理由が変わると解明 2024年06月10日
  • 【解説】環境配慮を意識した技術・製品開発へ―GaN成長技術にも有毒ガス排除の動き 2024年06月04日
  • 【解説】青色半導体レーザーの高出力化が進展も,実用化にはビーム制御も重要 2024年05月22日
  • CFD,大電流パワー半導体用光プローブ電流センサー開発
    CFD,大電流パワー半導体用光プローブ電流センサー開発 2024年04月19日
  • 日清紡マイクロ,琵琶湖半導体構想に参画 2024年03月29日
  • 名大ら,AlN系UWBG半導体で理想的なpn接合実現 
    名大ら,AlN系UWBG半導体で理想的なpn接合実現  2023年12月15日