東京都と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は,海底光ファイバーケーブルを利用した海底火山のリアルタイム観測に向けた取り組みを協力して進めていると発表した(ニュースリリース)。
火山活動では,地下のマグマの移動に伴う地震が起こることが知られており,研究機関等では火山性地震のモニタリングを行なっている。しかし,離島の火山体は海面下に広がっているために陸域と同様の観測が難しく,海底での観測技術開発が課題となっている。
そこで,近年研究の進む光ファイバーを使った分布型音響センシング(DAS)技術を応用し,東京都が保有する離島間の海底光ファイバーケーブルを活用して火山性地震の試験観測を行なうことになったという。
この技術は,海底光ファイバーを通る光信号が,ケーブルの振動によって変化するのを計測することで,地上観測では捉えることが難しい海底下で発生する微弱な火山性地震も観測することが可能となるというもの。これにより,マグマ活動による噴火の兆候を把握することで噴火予測につながるものとしている。
観測期間は,令和6年11月1日から令和8年3月31日の間(令和6年9月より観測開始に向けた機器設置等に着手),実施区間は大島ー利島ー新島ー式根島ー神津島ー御蔵島ー三宅島を予定している。