大阪大学は,学内での事業化を単位認定し,学位取得ができる「ビジネス・オン・キャンパス」と退職教授が若手研究者たちをサポートする「研究コンシェルジュ制度」を開始した(ニュースリリース)。
「ビジネス・オン・キャンパス」とは,同大学は2024年4月から,社会課題解決を目的とした学内での事業化活動を,単位として認定・博士学位取得を可能にする工学研究科産学官共創コース アントレプレナーシップ型制度。これは国立大学で初の試みとなる。
ビジネスモデルを実際に具現化・事業化するのに必要な知識・プロセスを,大学での学びによりサポートし,起業志向型博士人材を育成する。また,社会のニーズを敏感に察知するこれらの人材が大
学の研究者側にも相互に影響しあうことで,社会と大学をつなぐ場となることも期待されているという。
また「研究コンシェルジュ制度」とは,退職教授の広範な人脈・経験を活かし,若手研究者の困りごとを解決・外部資金獲得等のサポート(面接練習・申請書のアドバイスなど)を行なう制度。2023年8月より導入した。
若手研究者が研究活動を軌道に乗せるには,研究環境の整備、資金の獲得など様々なハードルを越える必要があり,多くの有能な若手研究者が,モチベーションや時間をそのまますべて研究に向けることができていない現状があったことから制定された。
実際に,今年度の工学研究科の科研費基盤研究(A)の採択状況は昨年度に比べ2.75倍に増えているという。同大は,制度導入により課題を解決し,若手研究者の研究環境整備を目指していくとしている。