米SEMIは1月2日(米国時間),2024年の世界半導体生産能力は6.4%増となり,初めて月産3000万枚(wafers per month:wpm)の大台に乗るとの予測を発表した(ニュースリリース)。
2024年の成長は,最先端ロジックとファウンドリーの生産能力増強,生成AIやハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)を含むアプリケーションおよびチップの最終需要の回復によってもたらされる。2023年は半導体市場の需要減退とそれに伴う在庫調整により生産能力拡大が鈍化した。
一方,政府の資金援助やその他のインセンティブに後押しされ,中国が世界の半導体生産におけるシェアを拡大すると予想する。中国のチップメーカーは,2024年に18のプロジェクトの操業を開始し,2023年の生産能力は前年比12%増の760万wpm,2024年の生産能力は前年比13%増の860万wpmになる見通しだという。
台湾は半導体生産能力で第2位を維持し,2023年には生産能力を5.6%増の540万wpm,2024年には4.2%増の570万wpmとなると予測する。この地域では2024年に5つの工場が操業開始予定。
韓国の半導体生産能力は2023年に490万wpm,2024年に510万wpmで第3位となり,1つの工場が操業を開始すると5.4%増加する見込みである。日本は第4位で半導体生産能力は2023年に460万wpm,2024年に470万wpmとなり,2024年に4つのファブが稼動するため,生産能力は2%増加すると予測する。
米国は2024年に6つのファブを新設し,チップ生産能力を前年比6%増の310万wpmとなる。ヨーロッパと中東は,4つの新ファブの稼動開始により,2024年の生産能力は3.6%増の270万wpmと予測する。東南アジアは,4つの新しいファブ・プロジェクトが稼動し,2024年には生産能力が4%増の170万wpmとなる見込みだという。
また,ファウンドリーサプライヤーは半導体製造装置購入者の上位にランクし,2023年の生産能力は930万wpm,2024年には過去最高の1,020万wpmに拡大すると予測する。メモリ部門はPCやスマートフォンを含む家電製品の需要低迷により,2023年は生産能力の拡大が鈍化した。
DRAM セグメントは2023年は2%増の380万wpm,2024年には5%増の400万wpmとなる見込みである。3D NANDの生産能力は2023年に360万wpmと横ばい,2024年は2%増の370万wpmと予測する。
ディスクリート半導体とアナログ半導体の分野では,自動車の電動化が引き続き容量拡大の主な原動力となっている。ディスクリート半導体の生産能力は2023年に10%増の410万wpm,2024年には7%増の440万wpm,アナログ半導体の生産能力は2023年に11%増の210万wpm,2024年には10%増の240万wpmと予測した。