santecグループは,液晶LCOS技術を用いて,金属加工に有効なグリーンレーザーにおいて500Wのパワーに耐光するLCOS型空間光変調器「SLM-310-G」の開発に成功した(ニュースリリース)。2024年より発売開始の予定。
同社のLCOS技術と,今回の耐熱性に優れた独自のLCOS構造設計と耐光性に優れた液晶材料の開発により,レーザー加工分野で注目される波長515nmのグリーンレーザーで500Wの耐光性を実現した。
金属等の光吸収は,近赤外の波長1μmに比べて,グリーン波長の吸収が大きく,レーザー加工で有利な波長帯と知られている。
この製品は,同社従来比2.5倍となる光出力パワー500Wのグリーンレーザーに耐光する水冷式LCOS型空間光変調器。LCOSパネルは寸法(縦)15.36mmx(横)9.6mm,対角0.72インチ規格と小型なLCOS素子を採用しており解像度はWUXGA規格(1920x1200)の230万画素,階調度は他社8bit(256階調)より4倍優れた10bit(1024階調)が特長。
同社の光通信機器向けLCOSで培われた優れた位相安定度も兼ね備えており高精度な空間位相制御が可能。
LCOS型空間光変調器の高耐光性と同社のCGH(コンピュータ計算ホログラム)技術の適用により,加工用レーザーのビーム成形や多点レーザー照射など,従来技術のガルバノビームスキャナーでは成し得なかった新しい付加価値を伴うレーザー加工(Additive manufacturing)が500Wクラスのレーザーで実現する。
同社では,さまざまな金属3Dプリンタやレーザー溶接加工機へ導入できるとしている。