群大,微粒子可視化システムで空気の汚染状況を確認

群馬大学の研究グループは,放射線治療室内で咳などによって発症する空気中の汚れの状況を調べ,閉鎖空間での影響を明らかにした(ニュースリリース)。

新型コロナウイルスによる感染症COVID-19は,主に空気中を飛び回るウイルスを吸い込むことやウイルスがついた物に触れることによって感染リスクが高まるが,狭い空間の中ではウイルスが多く混ざった空気の中に長時間さらされることで感染する可能性があると報告されている。

日本ではCOVID-19は5類感染症となったが,医療現場では引き続きの感染対策は重要。がんの進行は早いものもあり,感染症の対策をしながら,がんの治療をしていく必要がある。がんの主な治療である手術や放射線治療は狭い空間(手術室や放射線治療室)で行なわれることが多いため,感染対策は特に重要。

これまでは,ウイルスは目に見えないため,どこにどのくらいウイルスがついているのか,飛んでいるのかなど,実際の汚れ具合がわからないことから,各医療機関で個人を感染から守る道具(マスクやフェイスシールド)などの感染対策を徹底し,患者や医療スタッフを守るための努力をしてきた。

研究グループは,専用光源と専用高感度カメラを用いリアルタイム画像処理により目には見えない微粒子を映像として「見える化」する特殊な撮影技術である,微粒子可視化システムを用いて,放射線治療室の空気の汚染状況を確認した。

「見える化」により,通常の会話に比べて大声や咳では粒子やエアロゾルは遠くまで達しており,口から1m周囲が最も汚染されやすく,特に口から70cmの周囲は汚染されやすい状況であることが確認できた。

この研究結果は放射線治療室内での汚染状況や汚染されやすい範囲について,目に「見える」形で評価でき,汚染状況についての根拠を示すものとなった。

研究グループは,今後,この研究成果を足がかりとして,COVID-19だけでなく,結核やインフルエンザ,今後新たに感染症が発見された際などに有効な感染防御対策を開発するためにも役立つことが期待されるとしている。

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