富士フイルム,台湾に半導体周辺材料工場を新設

富士フイルムは,台湾にCMPスラリーやフォトリソ周辺材料を生産する最先端半導体材料を建設。2026年春に稼働させると発表した(ニュースリリース)。

半導体は,5G/6Gによる通信の高速・大容量化,自動運転の拡大,メタバースの普及などを背景に,年率約10%の市場成長と高性能化の進展が見込まれている。

同社は,フォトレジストやフォトリソ周辺材料,CMPスラリー,ポストCMPクリーナー,薄膜形成材,ポリイミドなど半導体製造の前工程から後工程までのプロセス材料,イメージセンサー用カラーフィルター材料をはじめとしたWave Control Mosaic(WCM)を展開している。

現在,CMPスラリーの生産設備の導入(日本)やポリイミドの製造設備の増強(ベルギー)など国内外で積極的な設備増強を行ない,半導体の需要増への対応を進めている。

今回,半導体材料の台湾現地法人であるFUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co., Ltd.(FETW)が,急成長する台湾の半導体市場に対して製品供給能力を拡大するため,新竹市に土地を新たに取得し,最先端半導体材料の新工場を建設する。

新工場では,最新鋭の製造設備や品質評価機器を導入し,CMPスラリーやフォトリソ周辺材料の現地生産体制と技術サポート体制を強化。製品倉庫も設置して,顧客要望にきめ細かく対応できるデリバリー体制を構築する。

台南市にある台湾第3工場では,建設中の新棟にCMPスラリーの製造設備などを導入し,2024年春に稼働させる計画。新工場の建設と既存工場への設備増強で,CMPスラリーなどの大幅な生産能力拡大を図り,半導体の需要伸長と現地の迅速供給へのニーズに応えるとしている。

今後,台湾では,新工場を加えた4拠点の生産体制の下,高い品質基準を満たす製品のタイムリーかつ安定的な供給を図るとともに,伸長が予想される半導体需要を先取りする投資で現地の生産・開発・品質保証体制をさらに強化していく。なお,今回の新工場の建設や既存工場への設備増強に伴い,約50名の新規雇用を計画しているという。

尚,新工場の建設と既存工場への設備増強をあわせた設備投資額は約150億円。同社は積極的な設備投資などにより事業成長を加速させ,2030年度には電子材料事業で5,000億円の売上を目指すとしている。

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