富士キメラ総研は,ECUと関連デバイスの世界市場について調査し,その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2023 ≪下巻:ECU関連デバイス編≫」にまとめた(ニュースリリース)。
この調査では,6領域(パワートレイン系,xEV系,走行安全系,ボディ系,情報系,センサー/アクチュエーター)のECUについて国・地域別に市場を分析し,それらを構成するデバイス30品目の動向を捉えた。
それによると,各種電装機器の搭載によって,それらを制御するECUの搭載数は増加しており,2022年の市場は14兆7,208億円が見込まれる。為替の影響もあり数量ベースと比較して高い伸びとなっており,特に電動化の進展によりxEV系が大幅に拡大しているという。
今後の伸びが特に大きいのは,xEV系と走行安全系だとする。環境規制の強化を背景とした電動化によりxEV系が大きく伸びていき,走行安全系もエアバッグシステムやESCなどの搭載が標準化しているシステムの堅調な需要と自動運転の高度化により伸びるとみる。各領域の伸びに伴い,2035年の市場は2021年比2.9倍の33兆9,916億円を予測する。
情報系は,情報通信系システムのECU,車外通信システムや車内通信システムに採用される通信系ECUを対象とし,カーナビやオーディオ機器のアフター製品に搭載されるECUは含まない。自動車のコネクテッド化やADAS/自動運転システムなどとの連携を背景とした,車外通信機能の追加や車内エンターテインメント機器の増加などにより市場は拡大を予想する。
センターインフォメーションディスプレーの搭載増加に伴うIVI(In-Vehicle-Infotainment)の搭載率上昇,ヘッドアップディスプレーやテレマティクスコントロールユニット,乗員モニタリングシステムなど新たな機能の追加が進んでいくとみる。また,自動運転が高度化することで車内での過ごし方をサポートするために,エンターテインメント機能の拡充も期待されるという。
センサー/アクチュエーターは,センサーユニットなどの制御対象の状態を検出し送信する機器や、モーター/バルブなどといったセンサーに検出された状態に応じた物理的,機械的な動作をするモーターユニット,LiDARやミリ波レーダーといったその他センサーを対象とした。
電動化により補機モーターやその他の小型モーターの搭載も進むとみており,電子制御化によるモーター数の増加や,ADAS/自動運転システムの普及に伴う各種センサー類の増加により市場拡大が予想されるとしている。