カネカは,同社が開発した結晶シリコン太陽電池(ヘテロ接合バックコンタクト型)が,トヨタ自動車の「新型プリウスPHEV」のルーフガラス部分に採用されたと発表した(ニュースリリース)。
今回採用された製品は,同社の世界最高水準の変換効率を誇る結晶シリコン太陽電池技術(結晶シリコン太陽電池として世界最高水準の変換効率26.7%を達成)を用いており,また表面に配線のないバックコンタクト構造によって,自動車用ガラスに近い意匠性を実現した。
これら同社独自技術による高い変換効率と優れた意匠性に加え,曲面状の設計による自動車ボディへの装着が可能となった点が評価され,トヨタbZ4Xに続き,今回の太陽電池が採用されることになったという。
これはプリウスにおける第2世代の「ソーラー発電システム」となるもので,トヨタによると1年間でEV走行1,250km分に相当する電力を生み出すという。また,充電スタンドがない駐車場や災害等で停電した場合でも,太陽光さえあれば充電ができる。
ソーラーパネルで発電した電力は,駐車中は駆動用バッテリーへ充電し,走行だけでなくエアコンなどさまざまな機能に電力を供給する。走行中は補機バッテリー系統に給電することで駆動用バッテリーの消費を低減するとしている。