NIFSら,ナノ秒紫外レーザーでPVにナノ構造を形成

核融合科学研究所(NIFS),大阪産業大学,東海大学は,ナノ秒紫外レーザーによりシリコン太陽電池表面に20nm程度の先端を有するナノドット構造形成に成功した(ニュースリリース)。

シリコン太陽電池の変換効率をさらに向上させるためには,数100nm以下の大きさのナノ微細構造をピラミッド構造表面に形成させる必要があり,モスアイ構造,ポーラス構造やレーザー誘起周期構造(LIPSS)が有望であると期待されている。

そこで研究グループは融解閾値フルエンスが0.5J/cm2以下のXeClエキシマレーザーパルスを用いてシリコン太陽電池のピラミッド構造表面にLIPSSを形成させることに成功し,反射率の減少はLIPSSの間隔と強く関係すること,LIPSSが形成された後もシリコン太陽電池の結晶性が保持されていることを報告してきた。

反射率をさらに低減させるためには,屈折率が上部から下部まで連続的に変化する三角形のナノドット構造を作製する必要がある。今までにナノドット構造の形成に関する研究はいくつかあるが,シリコン太陽電池の反射率低減に最適なナノドット構造の形状,大きさおよび密度ではなかった。

研究グループは,発振波長248nm,パルス幅20nsのKrFエキシマレーザーを用いてシリコン太陽電池表面上に高密度に三角形ナノドット構造を形成することに成功した。シリコン太陽電池の融解閾値0.47J/cm2以下のレーザーフルエンスでKrFエキシマレーザーを照射したところ,ナノドット構造は,レーザーがシリコン太陽電池のピラミッド構造表面に対してS偏光として照射される面のみに形成されることを発見した。

形成されたナノドット構造の大きさは先端が約20nmである三角形のナノドット構造であり,この構造のサイズはレーザーの回折限界よりも小さいことがわかった。ナノドット構造の密度はレーザー波長に関係しており,レーザー波長の2乗に反比例しており,短波長レーザー照射が高密度化に有効であることを見出した。

ピラミッド構造のS偏光面のみにナノドット構造が形成されたシリコン太陽電池の500nmでの反射率は約5%を達成した。顕微ラマン分光を用いてシリコン太陽電池の結晶性を評価したところ,ナノドット構造を形成させることによって表面に圧縮応力が発生していることがわかった。

さらにバンドギャップを評価したところ,シリコン太陽電池のバンドギャップエネルギーがより高くなることがわかった。

研究グループは,ナノドット構造は融解閾値の半分程度の弱いレーザーフルエンスで照射しても形成されることから,高効率かつ大面積加工への期待がされるとしている。

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