富士フイルム,上部消化管用超音波スコープを発売

富士フイルムは,超音波スコープの新ラインアップとして,上部消化管用超音波スコープ「EG-740UT」を富士フイルムメディカルを通じて10月26日より発売することを発表した(ニュースリリース)。

超音波スコープは,先端部に超音波振動子を搭載した内視鏡で,体内に挿入し,胃などの消化管の内部から超音波を当てることで,膵臓や胆嚢など消化管に隣接する臓器にある病変の詳細な観察をサポートする。近年では,超音波スコープで病変に針を穿刺して病変部の細胞・組織を採取し診断(細胞診・組織診)を行なったり,膵臓にできた嚢胞(液体がたまった袋)を開腹せずに治療するなど,患者の身体的負担が少ない手技が普及しているという。

このような中,超音波スコープを用いた検査や治療では,超音波の届きにくい深部まで観察し病変を見逃さずに正確な診断を行なうことや,短時間で安全に手技を遂行することが求められているとしている。

この製品は,現行機よりも超音波の送受信感度を向上させた高性能振動子を搭載。微小な反射信号をとらえることにより,高画質な超音波画像が得られ,超音波の届きにくい位置にある膵臓などの臓器の観察をサポートするという。

また,超音波スコープを用いた治療では,ガイドワイヤに沿わせて必要な処置具を挿入・交換を行なうが,この製品は手元のレバーを倒すだけでガイドワイヤを固定できるガイドワイヤロック機構を新搭載。病変の処置・治療時に,ガイドワイヤが意図せず動くことを防ぎ,処置具の素早く確実な挿入・交換を支援する。

さらに,富士フイルムヘルスケアの超音波診断装置「ARIETTA 850」を接続可能な医療機器として,日本・欧州・米国で認可を取得。「ARIETTA 850」に搭載された,浅部から深部まで鮮明で見やすい画像を追求した画像処理技術や多彩な診断アプリケーションとの組み合わせで,超音波スコープを用いた検査を効率的にサポートするとしている。

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