キヤノンは,半導体露光装置KrFスキャナー「FPA-6300ES6a」の生産性向上オプション「Grade10」を2022年8月上旬に発売すると発表した(ニュースリリース)。
半導体デバイスの需要が拡大しているなか,半導体デバイスメーカーからは半導体露光装置に対して高い生産性が求められている。同社では,半導体露光装置KrFスキャナー「FPA-6300ES6a」を2012年4月に発売以来,継続的に生産性向上オプションを開発することで装置のアップグレードを行なってきた。
新製品は,露光ステージや基板搬送系の駆動を高速化することで露光時間と基板搬送時間を短縮し,毎時300枚という業界最高水準のスループットを達成。また,同社の半導体露光装置で初となるニューラルネットワーク(脳神経の構造を模した機械学習手法)を用いたステージ制御システムを導入し,高速駆動にともない発生する振動を軽減して高い精度を維持する。さらに,重ね合わせ精度オプションを併用することで,高生産性と重ね合わせ精度4nmの両立を可能にするという。
また,すでに半導体デバイスメーカーの量産工場で稼動している「FPA-6300ES6a」にも適用可能なため,既存の装置を入れ替えることなく,さらなる生産性の向上に貢献するとしている。