SP,量子科学向けレーザー/ダブラ―を発表

MKS Instrumentsは,Spectra-Physicsの量子科学向け新ラインナップ「Matisse C」高出力超狭線幅波長可変レーザーと,次世代高出力CWダブラー「WaveTrain 3D」を発表した(製品ページ

「Matisse C」は,新たなオプションとしてハンズフリーチューニングレンジ400nmを追加。MBBE-OPTをオプションとして備え,最大7.2Wの出力と20kHzまで縮小した線幅で,ハンズフリーにて668-1068nmのリーチューニングを可能にする。

「WaveTrain 3D」は,「Matisse C」レーザーの波長範囲670-1050nmを自動チューニングにより335-525nmに変換し,超狭線幅UVから可視への調整可能なレーザープラットフォームとして,最大2.5WのUV出力と,線幅<40kHzを実現。

再設計したデジタル電子制御によりタッチスクリーンとオプションのGUIインターフェイスを備え,密閉設計により不活性ガスのパージが可能になり,長期的な出力安定性と音響ノイズ耐性を実現したという。

従来のボウタイ・キャビティとは異なるトライアングルキャビティ構造を採用し,ビームに影響を与えることなくキャビティ長を調整できる。すべてのミラーマウント等の光学部品はベースプレートに直接ボルトで固定し,安定性を高めている。

新たな「Velocity波長可変ダイオードレーザー」は,標準モデルのほぼ2倍となる最大130nmのモードホップフリーチューニングレンジを提供し,マイクロキャビティ共振器やその他の量子およびPICアプリケーションの主要波長をギャップレスでカバーする。 「Matisse C」および「WaveTrain 3D」の特長は以下の通り。

「Matisse C」
・最大平均出力>7.2W
・超狭線幅 20kHzrms
・コンパクト,密閉されたキャビティと完全自動化設計
・広いチューニングレンジ(>400nm with One optics set)
・モードホップフリーピエゾチューニング>50GHz
・モードホップフリーチューニングのためのスキャンステッチ最大400nm

「WaveTrain 3D」
・入力波長範囲412-1600nm
・高速サーボループにより出力が安定
・1秒あたり10GHzで65GHzの連続スキャン
・密閉されたキャビティブロックと外部調整付きのボディにより光学部品が汚染を防止 ・事前に取り付けられた2つのミラーにより波長範囲の迅速な変更が可能
・低いキャビティ損失と高い倍増効率
・完全デジタル制御電子機器

これらにより,要求の厳しい量子,原子,分子,光学(AMO)物理学,フォトニック集積回路(PIC),ホログラフィー,干渉法,および計測アプリケーションに対応するとしている。なおこの製品はスペクトラ・フィジックスが,日本国内にて販売する。

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