2022年,半導体デバイス世界市場50兆5,296億円

富士キメラ総研は,需給がひっ迫している半導体デバイスの世界市場を調査し,その結果を「2021 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に経済活動が鈍化したが,半導体分野においてはテレワーク普及に対応するためのネットワークのインフラ整備や関連機器の需要増加で,CPU,GPU,Wi-Fiチップなどが伸び,2020年の市場は30兆円を超えた。

2021年の市場は活況が続いている一方で,最先端のプロセスを採用した半導体や自動車向け半導体の生産は,一部の大手ファウンドリーに集中していたことから,需要がメーカーの生産能力を大きく上回り,特に自動車向けでは急激な需要回復による供給不足もみられるという。

供給不足は今後解消するとみるが,クラウドサービスや5G通信の普及などネットワーク関連の投資継続や,自動運転技術の進展による自動車向けの好調により市場は拡大し,2026年には50兆5,296億円を予測している。

同報告書ではこのうち,注目市場として,DRAM,NAND,CPU,自動車用SoC・FPGAを取り上げている。

DRAMは,揮発性の高速メモリーとしてデータの一時保存などに利用される。PCやサーバーなどに搭載されるDDRと,スマートフォンやタブレット端末などに搭載されるLPDDR,主にグラフィックボードに搭載されるGDDRを対象とした。

2020年,2021年と新型コロナの影響によりPCやサーバー需要が増加し,需給がひっ迫しているという。用途別ではスマートフォンを含むモバイル機器向けの比率が最も高いが,スマートフォン向けの成長が頭打ちであることから,今後サーバー向けの比率が増えるとみている。

DRAMは微細化していくことで低消費電力化と小型化,高速駆動を実現しており,微細なパターンの形成を目的にEUV露光を採用するメーカーも出始めている。最新規格はDDR5とLPDDR5であり,DDR5は2021年後半から採用が増加するとみる。LPDDRは2025年頃に次世代規格の量産が開始される見通しだという。

NANDは不揮発性で電気的にデータを一括消去,書き換えを行えるメモリーであり,スマートフォンや自動車など幅広い製品に搭載されるNAND型フラッシュメモリーを対象とした。3D NANDは1チップ当たりの容量の上昇とともにbitコストが下がり,搭載容量が増加することで市場が拡大している。2020年以降は,テレワークやリモート学習など新たな生活様式の定着によって,PCやタブレット端末などの機器需要が増加し,サーバーなどのネットワーク構築も進んだことで拡大が続いているとする。

NANDは多層化による大容量化が進んでおり,大手メーカーは既に100層を超える製品の量産を開始している。今後も多層化はさらに進展していくとみており,次世代の162/176層品は2022年から本格的に量産が開始される見通しだという。一方,多層化するごとに大型化や歩留まりの低下がみられ,製造にかかる時間が長期化するなど課題があることから,微細化によるメモリー密度の向上など,多層化に頼らない方法も検討されている。

CPUは,x86とARMベースのPC向け,サーバー向けCPUを対象とした。PC向けCPUは,マザーボードのCPUソケットに搭載され,中央演算処理を担う。PC1台当たりに1個搭載され,PCを自作する際に単体でも購入される。

2022年までは巣ごもり需要に伴い好調に推移し,2023年以降反動減が予想されるものの,文教向けや生活様式の変化などによりPCの需要は底堅いため,大幅な縮小にはならないとみる。なお,ノートPC向けがテレワークの普及で伸びる一方,デスクトップPC向けは減少しているという。また「Chromebook」の販売が,本体価格や運用コストが安価であることから増加しており,今後の市場をけん引するとみている。

サーバー向けCPUは,汎用サーバーではボード当たり1~2個,AI用途などの構成のサーバーではボード当たり2~8個のCPUが搭載される。テレワークの普及などによりデータトラフィック量が大きく増え,それに対応すべく、サーバーの需要が高まっている。需要は2020年が特に旺盛で,今後は徐々に落ち着くものの,データトラフィック量の増加は続くとみており,引き続き市場は拡大うを予想する。また,中国では国家的に大規模なデータセンター投資が行なわれており,市場をけん引しているという。

自動車用SoC・FPGAは,必要な機能を一つの半導体チップに実装した製品であり,MPUを核としてGPU,コントローラーおよびメモリーなどを統合したICを対象とした。マイコンと類似するが,より広範囲な機能を統合しており,自動車のインストルメントパネル,クラスターパネルのコックピット化,ADAS機能の複雑な処理の対応を目的に採用が進んでいる。

SoCは画像処理やセンサーフュージョンなどを行なうため非常に高い演算能力が要求されるが,それに伴い消費電力も大きくなる。一方,EVの航続距離伸長などからパワートレインの低消費電力化のニーズも高く,両立が求められているという。

自動運転レベル2の自動車が増加しており,フロントカメラ以外のADAS制御用ECUのSoCなどが増加している。また,レベル2では車両1台当たり1~3個の搭載だが,自動運転レベルの向上に伴って搭載数も増加し,自動運転レベル3以降では車両1台当たり6~12個まで搭載数が増えるとみる。ADAS搭載車両の増加や自動運転レベルやADAS機能の向上に伴い,市場拡大が予想されるとしている。

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