日本航空電子工業(JAE)は,高速伝送と同時に電源供給も可能としたハイブリッド型AOC(Active Optical Cable)「RP07シリーズ」を開発した(ニュースリリース)。
近年,画像の高精細化,通信の大容量化に伴い,さまざまな市場・機器で高速伝送のニーズが高まっている。
しかし,これまでのメタルケーブルでは伝送速度や伝送距離に限界があることに加え,医療機器,工作機械などに使用されるケーブルにおいては,放射ノイズや外来ノイズの影響を最小限にすることが必要となっていた。
光ケーブルはこれらのニーズに対応が可能ではあるものの,配線を行なう際に光コネクタ端面の清掃が必要という課題があるため,取り扱いが容易で高速伝送・長距離伝送,電磁環境両立性を実現するソリューションが求められており,同社はこうした市場ニーズを背景に,この製品の開発に至ったとしている。
この製品は光ケーブルとメタルケーブルを1本のハイブリッドケーブルとしたことにより,光とメタルの長所を合わせ持った設計自由度の高い伝送を実現。最大6本の光ケーブルで,1本あたり25Gb/s,300mまでの伝送ができる(10Gb/sの場合)。これにより,電力供給が必要なカメラ用途や半二重通信が必要な制御機器用途への対応が可能だという。
また,独自開発した光学モジュールにより回路部の小型化を図るとともに,さまざまな機器で採用が広がるUSB Type-Cコネクタをインタフェースとしている。用途として,高精細画像伝送を行なう放送機器やゲーム機,電磁環境両立性・高速伝送・長距離伝送が必要とされる工作機械や医療機器等の産業機器を想定している。
フリクションロックタイプに加えて各種メカニカルロックタイプも開発を進めており,順次バリエーションを拡充していくという。