ニコンは10月26日,中小型パネル対応のFPD露光装置「FX-6AS」を発売すると発表した(ニュースリリース)。
スマートデバイスや,VR,AR機器などに用いられるディスプレーは,高精細化とともに,薄型化やフレキシブル化などの高機能化が進んでいる。
特に,低消費電力化や高精細化を実現するLTPO技術(ディスプレーの更新頻度を最適化する技術)が注目されている。この技術は,パネルの回路パターンをより細く,線幅を均一にすることが非常に重要となる。
同社は,これらのニーズに対応するため,中小型パネルのさらなる高精細化および高機能化を実現する,第6世代プレートサイズ対応のFPD露光装置を開発した。
新たに開発した投影レンズを搭載し,高解像度を達成。複数の投影レンズで構成したマルチレンズシステムを採用し,広い領域を効率良く露光する。回路パターンを露光する際,バイナリーマスクを使用した場合は1.2μm(L/S),位相シフトマスクを使用した場合は1.1μm(L/S)の高解像度を実現した。
光源波長は,従来モデルと同じi線を踏襲したままで高解像度を実現した。既存の露光工程周辺の製造プロセスを変えることなく,引き続き使用できる。
投影レンズを新たに開発し,そのレンズが持つ収差を最小化。さらに,稼働時の振動や温度などによる影響を抑制する最新ボディの採用により,アライメントマーク※の計測精度が向上。これらにより,±0.23μmの高精度アライメントを実現したという。
この製品は新開発の投影レンズの採用やステージの改良,照度アップにより,高解像度を維持しながら1度の露光にかかる時間を短縮してタクトタイムを改善。バイナリーマスク使用時の生産は,毎時85プレートという高スループットを達成するとしている。
主な仕様は以下の通り。
解像度(L/S) | 1.2μm(バイナリーマスク使用時) |
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投影倍率 | 1:1 |
アライメント精度 | ≦±0.23μm |
プレートサイズ | 1,500mm×1,850mm |
タクトタイム | 42秒/プレート (条件) 1,500mm×1,850 mm,4スキャン,i線,30mJ/cm2 |