富士キメラ総研は,ITベンダーによるハイパースケールデータセンター建設の加速により成長が続いているデータセンター関連製品の世界市場を調査し,その結果を「2021 データセンター&キーデバイス関連市場総調査」にまとめた(ニュースリリース)。
ここではデータセンター関連コンポーネントにおける注目市場として,クライアント側光トランシーバー(100G~)を取り上げた。伝送速度が100G 以上のデータセンター向けクライアント側光トランシーバーを対象とした。
それによると,ネットワーク階層がフラットなサーバー同士の通信が増えたことで高速化しており,10Gや25Gが中心だったデータセンター内通信が100Gにシフトしているという。今後100Gから400Gへ,さらなる高速化も想定されている。
一般企業ユーザーにおける100Gの普及と,大手クラウドサービスベンダーにおける400Gの本格導入により市場は拡大しているという。200Gも展開されているが,400Gの普及により限定的な需要にとどまるとみる。2022年には800Gの規格化も進み,さらなる高速化が進むとみている。
2020年のデータセンター関連製品の世界市場全体では,20兆78億円になったという。SNSやECの利用増加とオンラインゲームや映像コンテンツの増加,テレワークやクラウドサービスの普及などによるクラウドサービスベンダーの活発な投資と中国での需要増加により,2021年は前年比19.5%増の23兆9,000億円を見込む。
今後は,テキストや音声,画像などのデータ活用が増えることによるストレージ需要の大幅な増加や,膨大なデータを高速・分散処理に対応した伝送処理技術・製品の採用により2026年には2020年比2.9倍の57兆7,302億円を予測する。
データセンター関連機器は,カテゴリー別市場の中で最も市場規模が大きく,2021年は9兆197億円を見込む。市場の6割を占めるサーバーがけん引しており新型コロナの感染拡大によるデータ通信量の増加などから伸びているとする。
インターコネクト関連製品は,銅ケーブルから光ケーブルへのシフト,光トランシーバーの高速化などにより各品目が伸長し,市場は毎年二桁近い伸びを続け,2026年には2020年比74.4%増の3,902億円を予測する。
データセンター関連コンポーネントは,光通信の高速化により光トランシーバーの市場が拡大しているという。市場の中心であるクライアント側光トランシーバーは,25G,100Gが一般化しており,400Gの普及も進みつつあるとする。2022年には1兆円を突破し,2026年には2兆円近くまで拡大すると予測している。