イービームイニシアチブは,フォトマスク,EDA,半導体設計,半導体製造装置,半導体関連材料分野の製造並びに研究開発部門を縦断する半導体のエコシステムにおける,年次業界識者調査を完了したと発表した(ニュースリリース)。
それによると,調査回答者の72%が,2021年のフォトマスク売上高が2020年比で増加するであろうと予測し,なかでも74%がEUVがマスク売上高の向上に寄与するであろうと予想した。
また,EUVがマルチビームマスク露光装置導入の主たる要因との見方を示した。回答者の90%がマルチビームマスク露光機の導入は今後3年間伸びるであろうと予測し,他方レーザー方式のマスク露光装置並びに可変成形型(VSB)電子ビームマスク露光機の導入機運は昨年の調査結果よりも高まっていると回答したという。
新規の調査項目である曲線図形を有するマスクの実現の確信の度合いは高く,回答者の71%が,最先端技術に対応できるフォトマスク製造ラインは何らかの形で曲線図形マスクの製造に対応できるとしている。
識者調査結果からの他の特筆事項は,
• 回答者の95%がILT(インバースリソグラフィ技術)は現在すでに,量産ICで使われていると確信
• 曲線図形はEUVマスクよりも193iマスクでより多く使われるであろうと予測
• 曲線図形マスクの生産に当たっての最大の懸念事項はマスクの検査並びにマスク製造工場の基盤機構であると指摘
• 回答者の4%のみが曲線図形マスク生産の懸念事項は解決出来ないと回答
昨年の調査結果は,COVID-19の大流行にも関わらずフォトマスク市場が成長するとの見通しを示唆し,本年の調査結果はマスク市場がより一層好況となるであろうことを示唆すものだとする。
また,業界の識者が、曲線マスク製造の時代となる事に確たる信念を持っているという事も注目に値するとしている。