ENEOSホールディングスと日本板硝子(NSG)は,ENEOSが出資し,NSGが共同開発を実施している,米ユビキタスエナジー(UE)が開発した透明な太陽光発電パネルを,建物の窓として使用する実証実験を国内で初めて実施する(ニュースリリース)。
このパネルは,紫外線と赤外線をエネルギー源とする高効率の発電が可能であり,一般的な窓と同程度の透明度を維持しつつも,遮熱性と断熱性に優れていることから,建物の高いエネルギー効率を実現することができるという。
また,高層ビル等に活用できることから,広大な用地確保が不要であり,平置き型の太陽光発電と比較し,小さい敷地面積から多くの電力を生み出す可能性がある。
この実証は,日本国内の日照,気候条件下におけるUE製太陽光発電パネルの省エネ性能(遮熱・断熱性)および発電性能について検証するもので,ENEOSとNSGが共同で,1年間(2021年9月1日~2022年8月31日)にわたり,NSGの千葉事業所内に設置した施設において定量的な評価を行なう。
具体的には,同条件の2棟の小建造物(南向き窓,室温等)において以下の実験を実施する。
①UE製太陽光発電パネルの発電性能の確認
②窓にパネルを設置した場合としない場合の省エネ性能の比較(室内の温度を一定に維持する際の電力量負荷の比較)
なお,日本国内における同パネルの性能の有効性が確認された後は,ビル等への展開および将来の電力供給を視野にいれた太陽光発電システムへの接続等の実証を検討しているという。
両社はこの取り組みを太陽光発電の新たな選択肢の一つとして,事業化することを目指すとしている。