オプトクエスト,近赤外SC光源を発売

オプトクエストは,近赤外スーパーコンティニューム(SC)光源「FLA SC2100」の販売を開始した(ニュースリリース)。

この製品は,光ファイバー通信や光計測で重要な近赤外の波長域を1台でカバーする超広帯域光源。高度化する光通信用光学部品・光デバイスの製造検査,先端光計測(光断層診断,表面形状測定など)やガス分光分析など,研究機関や光学部品・機器メーカー,検査機器メーカーへの販売を予定しているという。

光を閉じ込めて伝送する機能を持つ光ファイバーを利用した,安定性の高いファイバー型パルスレーザー光源(光パルスの時間幅は10億分の1秒程度)と,波長幅の広い光(SC光)を発生させる技術を組み合わせ,通常であれば波長幅の狭さが特徴の一つであるレーザー光において,波長幅を効率よく安定に広げる技術により高い出力を実現。操作も簡単で,ボタン一つで安定な広帯域光がコンパクトな筐体から得られるとしている。

この製品のキー技術は,近畿大学との共同研究開発で生まれた光ファイバーレーザーにあるとし,近畿大学の基礎研究で生まれた新しいレーザー構成に,同社の光実装技術を加えることにより,卓越した性能を実現することが可能となったという。

現在,光通信分野で検査用に使われている白熱電球や蛍光を利用した光源は,何れも輝度(明るさ)が不足することが問題となっているが,この製品から出力される光源は,白熱電球と比較して輝度が100倍以上であり,光ファイバーから発生する増幅された蛍光(ASE光)と比較しても25倍以上の広い波長幅を発生。また,従来技術で作られたSC光源と比較して10倍以上の安定な波長特性を得ることに成功するなど,高いパフォーマンスを実現しているという。

搭載している光ファイバーレーザーは,SESAMなどの消耗部品を使わない新しいパルス発生機構を搭載し,内部に可動部分や調整機構がないため,基本的に安定で壊れにくいという特長を併せ持つ。今後,大学・研究所向けの先端研究開発はもちろん,連続動作が求められる産業用途にも応用を拡大していく予定だとしている。

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