エプソン,プロジェクターで内閣総理大臣賞を受賞

セイコーエプソンは,令和3年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において,「単一色のレーザー光源を用いた大光量高画質プロジェクターの発明(特許第5928569号)」が「内閣総理大臣賞」を受賞したと発表した(ニュースリリース)。

全国発明表彰は皇室から御下賜金を拝受し,日本における発明などの完成者や実施者,および発明奨励に関する功労者を顕彰することにより,科学技術の向上および産業の発展に寄与することを目的として行なわれる。そして,最も優れた発明・意匠の完成者には恩賜発明賞を,次いで「内閣総理大臣賞」が贈呈される。

今回,内閣総理大臣賞を同社ビジュアルプロダクツ事業部 VP企画設計部の豊岡隆史氏と座光寺誠氏が受賞した。また,発明実施功績賞を同社代表取締役社長の小川恭範氏が受賞した。

今回表彰の対象となった発明では,蛍光体にレーザー光を照射すると所望の色光を発光できる点に着目し,単一色のレーザー光を回転蛍光板に光照射して得られる発光(黄色=赤色+緑色)と,単一色のレーザー光(青色)に基づき赤緑青の色光を生成し,これを投写光に用いた。

また,プロジェクターに必要な明るさの調節には,明るさに対応した長さのパルス幅を有する周波数信号を用いてレーザー光をデジタル的に明滅可能な構成にした。さらに,レーザー光の明滅周波数と回転蛍光板の回転周波数が干渉すると,映像ちらつきが発現することから,2つの周波数を最適設定した。

これによりプロジェクションマッピングなどにも使用できる長寿命で利便性の高い高輝度・高画質のプロジェクターを実現した。特に,明るさをデジタル的に,より正確に制御できることから,空間演出など複数台のプロジェクターを用いる場面においても利用しやすくなったという。

なお,表彰式は,6月22日(火)にオークラ東京にて開催される予定。

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