日本赤外線サーモグラフィ協会(ITA)は,「発熱者スクリーニングサーモグラフィの運用ガイド作成委員会」を設置し,コロナ禍において需要が急拡大しているサーモグラフィについて,発熱者のスクリーニングを有効に,正しく活用するために必要な基礎知識や運用方法などに関するガイドの作成を始めた(ニュースリリース)。
赤外線サーモグラフィは,遠隔かつ非接触・非侵襲に人体表面温度の測定が可能なことから,集団の中から疾病により発熱している人をスクリーニングする目的で,これまで空港検疫における水際対策に使用されてきた。
しかし,昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により赤外線サーモグラフィの需要が急拡大したのに伴い,発熱者スクリーニングのための赤外線サーモグラフィ装置に新規参入する企業が増え,製品の性能・品質はまさに「玉石混淆」の状況を呈している。
それに加えて,赤外線スクリーニングを必要とする使用者側も,赤外線サーモグラフィ装置(それを模した赤外線カメラを含む)の基礎知識を持たないまま,誤った使い方をしているケースも散見されるという。
そこで同協会では,「発熱者スクリーニングサーモグラフィの運用ガイド作成委員会」を立ち上げ,感染症スクリーニングサーモグラフィの運用に必要な基礎知識を,ハード・ソフトの両面から検討し,第一ステップとして6月下旬の完成をめどにガイド(入門編)の作成に取り組むことにしたとしている。