琉球大ら,プラズモンで新型コロナを2分で可視化

琉球大学とスクリーニング検査のマイテックは,量子結晶を用いたプラズモン増強効果により新型コロナウイルス(COVID-19)を2分で可視化する新規検査法を共同開発した(ニュースリリース)。

現在,COVID-19診断に利用されているPCR検査はウイルス遺伝子を増幅して検出するため,手技が煩雑で結果を得るまでに数時間(通常1~4時間)かかる。また,迅速抗原検査はどこでも簡単に検査できるが,PCR検査と比較すると感度が低く一度に大量の検査はできない。

マイテックは,バイオチップ「プロテオ」表面に1分で金属錯体の結晶(量子結晶)を固相化させる特許技術を有しており,この技術を応用し,1滴の血液でがんを早期診断する新しい検査法を確立している。

「プロテオ」は,蛋白質等を特異的に検出するバイオチップ。新規物質の「量子結晶」「過酸化銀メソ結晶」は,がん関連物質を選択的に吸着させることができる。また,特異的抗体を用いてウイルスや多くの疾病関連物質を短時間で検出することができる。

量子結晶とは,マイテックが世界で初めて開発に成功した新たな概念の新規プラズモン物質で,蛍光物質の光を増強する。また,量子結晶は通常12時間以上かかる金属錯体の固相化を1分に短縮する事ができる。

今回研究グループは,この技術をCOVID-19の診断に応用する研究開発を行なった。その結果,新型コロナウイルスを簡便な操作によって2分で可視化できる検査法の技術を確立した。COVID-19の臨床検体を用いた検討により,その高い診断性能を示すことができたという。

この新しい検査手法をCV(Coronavirus Visualization)検査と命名。CV検査は,「プロテオ」バイオチップ上の固相化した抗体に特異的に抗原を結合させ,抗原に付けた蛍光物質の光を直接観察することができる検査法。

CV検査では検査時間を大幅に短縮できることだけでなく,測定前の工程が2ステップと簡便で,かつ迅速抗原検査では検出できないような低ウイルス量の検体でも定量的にカウントすることができた。医療の現場だけでなく空港の検疫所や大規模イベントなど,短時間に多くの人が来場・通過する場所においても,簡単・確実に感染者の特定ができる。

研究グループは,全自動検査機器の開発などを積極的に進めていくとする。また更なる検査精度向上のための最適化や,より大規模な臨床性能評価も行なう予定。尚,このプレスリリースは査読を経ていないプレプリント段階でのプレスリリースであり,今後,内容が修正される可能性があるという。COVID-19パンデミックに鑑み,研究成果をいち早く公表することが,公共の利益に値すると判断したとしている。

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