ニデックは,宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施した「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」に関する研究提案募集に,アイデア型研究として採択されたと発表した(ニュースリリース)。
今回同社がJAXA宇宙探査イノベーションハブの「第6回研究提案募集(RFP)」に応募したテーマは,「持続可能な防塵または除塵性能を有する機構または表面の研究」で,121件の応募研究提案の中から選ばれた34件(アイデア型27件)のうちの1つとなった。
この研究提案は,宇宙空間におけるレゴリス(天体表面の細かい粒子)や砂,ほこりの付着を防止するためのコーティングの開発,および評価方法の実現を目指すもの。
天体表面の探査では,ローバーや探査機の表面や光学センサーなどにレゴリスが付着することで探査に影響を及ぼす懸念がある。そこでこの研究では,同社の光学コーティング技術を基盤としたコーティングを開発することで,持続可能な表面防塵の実現を目指すという。
このコーティングが実用化された場合,探査機等のセンサーや窓材・太陽電池パネル等への利用が検討されており,安定した運用に貢献できることが期待される。また宇宙利用だけでなく,例えばディスプレーや眼鏡等へのほこりの付着,太陽光パネルへの砂の付着を長期間防止する等,日常生活においても問題を解決する新しいコーティングを提供できる可能性があるとしている。