佐賀大ら,カメラで追従する農業用搬送ロボを開発

佐賀大学と人工知能とロボティクスのアトラックラボ, スマート農業を推進する銀座農園は共同で,機械学習を用いたカメラのみによる人追従型収穫物搬送ロボットを開発した(ニュースリリース)。

この搬送ロボットは搭載したカメラ映像から,追従する人の大きさを機械学習により検知し,カメラから人までの距離を算出して,その距離に応じて搬送ロボットが人追従走行と停止を判断することで収穫物搬送走行が可能となった。一般的なビブスを着用した人を搬送ロボットが認識して人に追従するので,人は特殊なマーカーなどを身につける必要がない。

カメラ映像をもとに機械学習により人の大きさを検知し,距離算出に基づく人追従走行と停止を行なう制御アルゴリズムを佐賀大学が開発し,アトラックラボと銀座農園は,搬送ロボットの開発やシステム設計などを担当した。

従来,搬送ロボットが人追従走行を実現する場合は,特殊な距離計(LiDARなど)の搭載や人が特殊なマーカーを着用する必要があったが<この方式では安価なカメラなどのみで実現できるため,コスト面でも大きなアドバンテージがあるという。

開発した搬送ロボットの実証実験は,佐賀県農業試験研究センターの全実験圃場において,ブロッコリー収穫時の搬送を模擬して行なわれ,15kgの重りをカゴに載せても搬送ロボットが人追従走行と停止を確実に行なえることを検証した。

研究グループは今後,製品化を視野に入れ,コストの制限が大きい農業分野などへの展開,ライン工場内での治具搬送,倉庫内での搬送補助などに応用していくとしている。

その他関連ニュース

  • 京セラ,極小物体の距離を計測可能なAI測距カメラ 2024年11月11日
  • ビジュアルサーボ,複眼カメラとAIで空間計測を実証 2024年10月18日
  • NTTら,画像認識AIで鋼材の腐食検査を実証実験 2024年10月03日
  • 公大,効率化したフローとAIで新規有機半導体を合成 2024年10月01日
  • 宮崎大ら,ケーブル移動式カメラとAIで豚の体重測定 2024年09月30日
  • 2033年の協働ロボット世界出荷台数,68万台を予測 2024年08月05日
  • 産総研,画像基盤モデルで膀胱内視鏡診断支援AI開発 2024年07月16日
  • 2024年ADAS/自動運転センサ市場,1兆6,051億円
    2024年ADAS/自動運転センサ市場,1兆6,051億円 2024年06月10日