EVG,量産対応マスクレス露光装置を発表

半導体デバイス製造向けウエハー接合及びリソグラフィ装置を製造するオーストリアEV Group(EVG)は,同社のマスクレス露光技術MLE(Maskless Exposure)を搭載した世界初の量産プラットフォーム「LITHOSCALE」マスクレス露光システムを発表した(ニュースリリース)。

この装置は,先端パッケージングやMEMS,バイオメディカル,及びIC基板の製造など,高い柔軟性や多品種が求められる市場/アプリケーション向けリソグラフィプロセスのために開発された。露光フィールドに制限されない高解像度,リアルタイムでのデータ転送と即時露光,そして高いスケーラビリティなどを特長とする。

この装置は,基板全面で高い解像度(<2µm L/S)とスティッチングの無いマスクレス露光を,スループットを犠牲にすることなく可能にするという。これは装置稼働中でのマスクレイアウト変更(ロード・アンド・ゴー)を可能にする強力なディジタル処理能力と,高度な並列処理によりスループットを最大化するマルチ露光ヘッドによって実現されている。

インターポーザに対し既存のレチクルサイズを超えてスティッチングの無いパターンを形成でき,最先端グラフィックス処理や人工知能(AI)または高性能コンピューティング(HPC)用途で必要とされる,複雑なレイアウトを有する最先端デバイスに特に有効とする。歪みの無い光学系とステージ位置精度で得られるシステムの高精度によって,基板全面に渡りシームレスな投影ができる。

また,ダイナミック・アライメント・モードとオートフォーカスを用いたダイレベル補正により,各種基板材料や表面状態の変化に適応し,最適なオーバーレイ性能を維持することができる。各種基板サイズや形状(最大径300mmのウエハー及びクォーターパネルまでの長方形基板)だけでなく異なる基板やレジスト材料にも対応するという。

世界初となるこの量産(HVM)対応マスクレスリソグラフィ装置は,従来のマスクレス露光装置の5倍のスループットを実現するという。同社では既に複数台を受注しており,2020年中に出荷を開始する予定としている。

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