ams,ウェアラブル向け血中酸素センサーを発表

著者: admin


amsジャパンは,血中酸素飽和度(SpO2)を測定する業界において最薄型の専用センサー「AS7038RB」を発表した(製品ページ)。

このセンサーは,病院の緊急処置室でSpO2と心電図(ECG)の測定に使用する使い捨てのパッチといったリモート診断機器のためのアプリケーションに適しているというもの。

新型コロナウイルス感染症では危険度の高い患者が呼吸困難の症状を示す前に,初期兆候としてSpO2の低下を示すというエビデンスが集まりつつあるという。このセンサーをベースとした,ウェアラブルなSpO2測定デバイスが開発されることで,リモートでの使用が可能となり,治療に役立つとしている。

このセンサーは,小型,機能統合,高性能の信号処理を組み合わせており,省スペース型のコンシューマー機器や医療機器で健康状態の監視を行なうアプリケーションを開発中のOEMにとって理想的だという。3.70mmx3.10mmの面積とわずか0.65mm薄のパッケージに収められたセンサーは,高感度のフォトダイオード,4つのLEDドライバー,アナログのフロントエンド,シーケンサを統合している。

また,このセンサーのSpO2測定機能は,同社独自のオンウェハー干渉フィルター技術を活用し,病院の試験設備で使用される医療グレードのパルスオキシメーターの出力とほぼ同等な精度を得ているという。このフィルターを使用することで,センサーは590nm~710nmと近赤外線(800nm~1050nm)帯域の対象波長でSpO2測定用の光学信号を取得でき,同時にその他の波長で起こる周囲光の干渉をブロックする。

さらに,最大4台の外部LED用にドライバーを供給できるため,OEMはアプリケーションに合わせてLEDを配置可能。このため,手首,胸,額,指など,皮膚の厚みや骨格構造が異なる部位でも,LEDの配置を最適化できるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 東大生研ら,エレクトロニクス技術開発の部門を設置

    東京大学とダイセルは,東京大学生産技術研究所(東大生研)に「ダイセル人を繋ぐエレクトロニクス」寄付研究部門を設置した(ニュースリリース)。 今回設置する「ダイセル人を繋ぐエレクトロニクス」寄付研究部門では,人とエレクトロ […]

    2025.10.09
  • 徳島大ら,水銀フリープラズマ方式遠紫外線光源開発

    徳島大学と紫光技研は,水銀フリーで,生体への安全性と殺菌効果を両立したプラズマ方式遠紫外線(far-UVC)光源を開発し,その殺菌及びウイルス不活化効果を実証した(ニュースリリース)。 光波長200~230nmのfar- […]

    2025.06.25
  • 東大ら,力を色で可視化するウェアラブルセンサ開発

    東京大学と深圳先進技術研究院は,色の変化で力を可視化するウェアラブルセンサを開発した(ニュースリリース)。 力を可視化するメカノクロミック素材は色々あるが,定量的に力を読み取ることができるものは多くない。 研究グループは […]

    2025.05.08
  • 公大ら,変色でアルコール濃度を測るセンサー開発

    大阪公立大学と九州大学は,金属有機構造体(MOF)の一種であるCu-MOF-74の結晶形状を制御して作製した透明度の高い薄膜を用いて,色の変化からアルコール濃度を計測できるセンサーを開発した(ニュースリリース)。 MOF […]

    2025.03.26
  • NICTら,深紫外LEDで鉄道車両を省電力で空気殺菌

    情報通信研究機構(NICT)と旭化成は,発光波長265nm帯の高強度深紫外LEDを搭載した鉄道車両用空気殺菌モジュールを開発し,静岡鉄道の実運行中の鉄道車両内への搭載を実証した(ニュースリリース)。 深紫外線による殺菌応 […]

    2025.02.14
  • 東北大ら,ウイルスの感染力を蛍光で簡便・迅速評価

    東北大学と名古屋大学は,エンベロープウイルス粒子の脂質膜に結合し蛍光応答を示す分子プローブ(M2-NR)の開発に成功した(ニュースリリース)。 ウイルス解析には,一般には抗体法とPCR法があるが,いずれもウイルス粒子構造 […]

    2025.01.28
  • 岡山大,テラヘルツ顕微鏡でコロナのタンパク質検出

    岡山大学の研究グループは,テラヘルツ波ケミカル顕微鏡を用いた微量検体中の新型コロナウイルス内に存在するNタンパク質の高感度検出に成功した(ニュースリリース)。 新型コロナウイルスの拡大では,感染者を特定するためにPCR検 […]

    2025.01.07
  • モンタナ州,光センシング助成に4,100万ドルを獲得

    モンタナ州,光センシング助成に4,100万ドルを獲得

    米国経済開発庁(EDA)は2024年7月,重要技術の生産拡大,革新的産業での雇用創出,経済競争力と国家安全保障の強化,米国全土における未来の産業の成長加速を目的として,全米12のテクノロジーハブに対して約5億400万ドル […]

    2024.12.24
  • オプトキャリア