日本電子は,ハイスループットを追求した新型走査電子顕微鏡「JSM-IT700HR」の販売を開始した(製品ページ)。価格は39,000,000円~。
走査電子顕微鏡(SEM)はナノテクノロジー,金属,半導体,セラミックスや医学・生物学の分野など,様々な分野で活用され,益々その用途を広げているという。観察対象は日々小さくなってきており,微細化していく試料を日常的に測定しなければならないという声を受けて,同社の「InTouchScopeシリーズ」にインレンズショットキー電界放出電子銃を搭載した,この製品が誕生したとしている。
この製品の電子銃は最高分解能1nm,最大照射電流300nA(従来機15倍)を発揮。さらに,シンプルな操作にこだわったユーザーインターフェイスとコンパクト設計でありながらも大きな試料室も装備,従来機から一新された架台による耐振性も向上し,「見える」よりも「楽に見える」ことを実現しているという。また,使いやすさの向上のため,新たに「信号深さ表示機能」を追加。SEMのGUIに組み込まれ,測定している試料の分析深さ(目安)を即座に知ることができ,元素分析の際に有効だとしている。
低真空観察機能を装備した「JSM-IT700HR/LV」,低真空観察機能およびEDSを標準装備した「JSM-IT700HR/LA」の2モデルから選択可能。
この製品の主な特長は以下のとおり。
・インレンズショットキー電界放出電子銃より高画質観察と高空間分解能分析が可能
・ホルダーグラフィック画像,CCD画像とSEM像が連動するZeromag機能により素早く快適な視野探しが可能
・観察中も常に元素分析結果が表示されるLive Analysis機能を搭載し,効率の良い元素分析が可能
・新たな「信号深さ表示機能」により試料の分析深さ(目安)を即座にサポート
・取得データを一元管理できるSMILE VIEW Labにより,観察から分析まで全データのレポート作成が容易
・試料交換ナビにより安全で簡単に試料交換が可能
・電子銃のオートビームアライメントにより,常に最適な状態を維持
・ドローアウト方式の大形試料室により,様々な形状や大きさの試料の観察・分析に対応