豊田合成は,水や空気などの殺菌に用いる「深紫外LED光源モジュール」を開発した(ニュースリリース)。
深紫外LEDはウイルスや細菌の遺伝子情報を壊す波長の短い紫外線を発するLED。環境への影響が懸念される水銀ランプに替わる新たな殺菌用光源として期待されていることから,同社では青色LEDの開発・生産で培った技術を活用し,防水・放熱などの機能を備えたモジュールやユニットでの製品開発を進めてきた。
今回同社はバイオメディカルサイエンス研究会と共同で,新型コロナウイルスと極めて近い遺伝子情報を持つヒトコロナウイルス(TCID50)を用いた試験を行ない,高い殺菌効果を持つことを実証した。
具体的には,検体に照射(280nm@350mA,照射距離50mm)直後,細胞接触試験を行ない,6日後の培養上清ウィルス量を測定した。その結果,深紫外線照射により,ウイルス感染価を確認するTCID50は104以上低下し,10秒以内の不活化を確認した。
同社は今後,安心な社会づくりに貢献するため,トヨタグループをはじめ様々な機器メーカーと共同で,水や空気,物の表面を殺菌する幅広い用途での応用に向けた取り組みを加速させていくとしている。