東北大学の研究グループは,高齢者に頻発する「誤嚥」により発症する疾患予防のために「三次元ステレオカメラなどにより食べ物を飲み組む運動を非接触で測定し,味覚や食感も診断できるシステム」を発明し,特許を取得した(ニュースリリース)。
高齢者介護の現場などでは,誤嚥が原因となる誤嚥性肺炎が問題となっている。嚥下機能を定量的に,正確に診断するためにはレントゲンや造影剤が必要であり,現実の臨床現場では大きな手間が必要となっている。
研究グループは「加齢制御」へ向け,様々な人工臓器の研究開発を進めてきている。自分の嚥下や蠕動の機能を,人工臓器の制御機構で具体化しようとすると,不味いバリウムの味や好みによって嚥下の挙動が異なることを見いだし,今回の発明に至った。
今回の研究成果は,高齢者の医療介護施設における「見守り」システムへの応用も期待されるという。また,Covid-19を含む多くの呼吸器感染では,誤嚥性肺炎の合併症例が報告されており,将来的には,新興感染症への応用も期待されるとしている。
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